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岸信千世、同級生らが明かす“お調子者”野球部時代「家系図」騒動の理由は「自信のなさのあらわれでは」

社会・政治 投稿日:2023.04.06 06:00FLASH編集部

岸信千世、同級生らが明かす“お調子者”野球部時代「家系図」騒動の理由は「自信のなさのあらわれでは」

男たちとともに写る信千世。けっして家柄をひけらかすようなことはなかったという

 

 岸信夫前防衛相の議員辞職により、衆院山口2区補選に出馬する長男の信千世(31)。岸信介元首相を曽祖父に、安倍晋三元首相を伯父に持つサラブレッドだ。

 

 しかし、政治活動のために立ち上げた自身のホームページに「家系図」を載せて大炎上。国民の不評を買った。

 

 華麗なる政治家一族の御曹子とは、どんな人物なのか。同窓生らの言葉から探ろう。

 

 

 信千世は父と同様、幼稚舎から慶應に通った。大学では商学部へ。また、信千世は中高と野球部に所属し、大学では準硬式野球部の副主将を務めた。2023年のセンバツにも出場した慶應高は野球の強豪校で、夏の甲子園に18回、センバツに10回出場。ただ、信千世の在籍時に甲子園出場はかなわず、本人は予選でベンチ入りもできなかった。

 

 信千世の3期上で、甲子園にも出場したIT企業経営のA氏も、大学では準硬式野球部で活躍。信千世のひたむきな姿をよく覚えているという。

 

「僕は学生コーチも務めていました。信千世は、とにかくいいヤツとしか言いようがない。練習態度は真面目だし、掃除なんかもきちんとやっていましたよ。上背があるからスラッガータイプで、打撃センスはありました」(A氏)

 

 家系図の一件も、「突然、選挙に出ることになって動転したのでは」と、A氏はみる。

 

「僕は高校から慶應ですが、著名人ばかりでなく、大企業の社長の息子も多い。そのなかで家族自慢をしても意味がないし、御曹司たちも彼らなりに葛藤を抱え、悩みながら人間性が磨かれていっている気がします。信千世も、けっして自分の家柄をひけらかしたりせず、成長に貪欲な選手でした」(同前)

 

 この点、信千世が卒業後に就職したフジテレビの元同僚・D氏も、「彼は一族を鼻にかけるような人間じゃない」と擁護する。社会部で記者を務めた信千世のことを、D氏は「泥臭い地取りや、夜討ち朝駆けの取材をコツコツやっていた。後輩の面倒見もよく、慕われていた」と評価する。

 

 準硬式野球部で信千世の1期下で、大手商社を経て、人材開発の会社を創業したY氏は、先輩についてこう語る。

 

「準硬式とはいえ、レベルは段違い。部員は各学年20人前後いて、総勢80人。そこでレギュラーになるのは、けっこう大変です。僕は3~4年のときになんとかレギュラー入りできましたが、信千世先輩は公式戦のベンチに入ったことはあった、ぐらいだったと思います」

 

 高校で甲子園出場はおろか、ベンチ入りさえ果たせず、大学の準硬式野球部で捲土重来を期した信千世。しかし、そこでもくすぶり続けた。

 

「肩を痛めて、外野からファーストに転向したんです。そのハンデを背負い、とにかく筋トレで鍛えてましたね。輝くか、あきらめるかの瀬戸際に立ち、悶々としていた印象。代打要員でしたが、打率がよくありませんでした。代打は一発にかけなければならないけど、そこまでメンタリティは強くない気がしました」(Y氏)

 

 故障を抱えた不甲斐なさからか、「二軍の後輩を鼓舞しながら、自身の正気を保っていた感じ」だったという。

 

「争いが嫌いで、弱い人間の気持ちがわかる先輩ですが、選手としては優しすぎた印象です。勝負ごとには向かないタイプ。控えの人たちと、よくつるんでいましたが、どこか所在なげでした」(同前)

 

 打ち込んだ野球で低迷し続ければ、弱者の気持ちもわかるはず。なのになぜ、出馬を決めた際、家系図を持ち出したのか。Y氏は「自信のなさのあらわれでは」とズバリ。

 

 しかし、信千世は2012年12月、慶大の学生自治会である全塾協議会事務局長選挙に立候補し、惜敗している。

 

「政治家を継ぐのは宿命だと思ってたんでしょう。部活のみんなで応援しよう、という流れになり、一同で投票に行きました」(同前)

 

 あからさまにリーダーシップを発揮するタイプではないが、部活でも、信千世がちゃっかり前に出る場面はあった。

 

「合宿などでのせられると、拒みながらも結局、球場のバックスクリーンに立って応援団のものまねをしたりして、大ウケを取るんです。そのときは必ず信千世コールが起きて、場がしまる。政治家も、まわりから持ち上げられる職業だから、その点では向いているかもしれませんね」(同前)

 

 信千世が華やかな放送の世界に憧れ、フジテレビに就職したのも、そんな、根はお調子者の面が発揮された結果かもしれない。そして、A氏やY氏の細やかな信千世評には、いかにも慶應育ちといった人脈の厚みが感じられた。

 

 “お調子者”は、担がれてこそ、その手腕を発揮する!?

 

取材・文/鈴木隆祐 ※文中一部敬称略

( 週刊FLASH 2023年4月18日号 )

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