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高市早苗氏、知事選敗北で党本部の対応を疑問視…異例の発言に「全面支持」「責任転嫁」と賛否あふれる

社会・政治 投稿日:2023.04.12 18:41FLASH編集部

高市早苗氏、知事選敗北で党本部の対応を疑問視…異例の発言に「全面支持」「責任転嫁」と賛否あふれる

 

 4月11日、自民党奈良県連会長を務める高市早苗経済安全保障相は、敗北した奈良県知事選をめぐり、「県連推薦以外の方を党本部が応援したのではないかという疑問の声もあがっている」と述べた。会見で、約10分にわたって党本部の対応に疑問を呈した発言が物議を醸している。

 

 知事選は、高市氏が擁立を主導した元総務官僚で新人の平木省氏と、5選を目指す現職の荒井正吾氏がともに県連へ推薦を要請。県連は、2023年1月、高市氏に一任する形で平木氏の推薦を決め、これまで推薦してきた荒井氏への支援を見送った。

 

 

 一方、党本部は平木氏の推薦を認めず、結果的に自民党の票が割れたことで、日本維新の会が擁立した山下真氏が初当選を果たした。

 

 記者会見した高市氏は、荒井氏は自民党の推薦候補ではないと指摘したうえで、自民党の森山裕・選対委員長が荒井氏と面会して激励したとする報道を列挙した。

 

 まず、毎日新聞奈良県版(2月25日)の記事について言及。2月23日、荒井氏と森山氏が奈良市内で面会し、「(森山氏が)正々堂々と引き続き頑張ってくださいとおっしゃってくれた。出馬して頑張れとのニュアンスと受け止めている」とした荒井氏のコメントを読み上げた。

 

 また、告示日の3月23日、出陣式のあいさつで、荒井氏は「森山選対委員長から私の携帯に電話があり、ご激励の電話だった。励ましていただき、たいへんうれしかった」などと話したという。

 

 高市氏は「事実であれば、奈良県連の分裂ではなくて、むしろ県連と党本部が別々の候補者を応援したということになる」とし、信頼関係を維持するためにも、党本部の対応を検証すべきと主張した。

 

 高市氏は、連続3期を務めた候補には党本部の推薦を出さないルールがあることに言及し、「都道府県連が地元で推薦を決定した候補者を党本部で推薦するか否かについて、判断基準を明確化していただくことも課題の一つ」と注文をつけた。

 

 高市氏は、記者から「党本部の森山氏の対応がおかしいということか」と問われると、こう回答して記者会見を締めくくった。

 

「事実関係の確認はできていない。これはあくまで報道であり、荒井氏の出陣式での言葉。わたしがその場にいたわけではない。ただ、信頼構築はとても大切なこと。それらも含めてしっかり確認して検証したいというのが、地元からの非常に強い要請だった」

 

 SNSでは、高市氏に賛同する声が多くあがった。

 

《高市大臣を全面支持します。奈良県民、自民党奈良県連を引っ掻き回した自民党本部の責任 党本部の責任者を追及すべきです》

 

《誰の責任で分裂選挙になり、誰の責任で支援体制が作れなかったのか、責任の追求を是非やっていただきたい》

 

《国民の声を代弁しているのはどう考えても高市氏》

 

 一方で、県連会長としての高市氏の責任を問う声も。

 

《単なる高市の根回しや調整不足を党本部の責任にするなよって話》

 

《県連をまとめられない人間が、党の総裁を務める事が出来る訳がない。これが真理では》

 

 高市氏が奈良県連の会長に就任したのは2022年の9月。

 

「高市氏は、連続3期を務めた候補者には党本部の推薦を出さないというルールと、事前の世論調査内容を踏まえ、荒井氏では勝てないと見て平木氏の擁立に踏み切りました。

 

 ただ、事前に荒井氏への働きかけはなく、荒井氏の態度表明前に平木氏が出馬会見をしたことで、荒井氏は不信感を募らせ、出馬に踏み切ることになりました。

 

 一方で荒井氏は、旧知の自民党・二階俊博元幹事長と面会してから出馬表明しています。党本部が平木氏の推薦を認めなかったうえ、二階氏と近い選対委員長の森山氏が荒井氏を激励したとあっては、高市氏が納得いかないのも無理はありません」(政治担当記者)

 

 高市氏は、当面は県連会長職にとどまり、統一地方選の後半戦後に「総括」する意向を示した。知事選敗北による「県連」と「党本部」の対立は、しばらく続くことになる。

( SmartFLASH )

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