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トラブル続きの「日暮里・舎人ライナー」原因は「気温上昇」真夏に運行できるのか? 専門家に聞いた

社会・政治 投稿日:2023.04.14 17:15FLASH編集部

トラブル続きの「日暮里・舎人ライナー」原因は「気温上昇」真夏に運行できるのか? 専門家に聞いた

「日暮里・舎人ライナー」の起点となる日暮里駅はJR線、京成線が乗り入れる一大ターミナルとなっている

 

 4月10日から、4日連続でトラブルによる運転停止が起きた東京都交通局の日暮里・舎人ライナー。13日に、本誌は利用者のイライラがピークに達していることを報じている。結局、約3万3800人もの乗客に影響があったわけだが、東京都交通局は同日、「推測」としながらも、これらの原因を発表している。

 

 まずは、10日に発生した、パンタグラフの破損に起因した停電発生による運転停止、そして11日に発生した、電車線のたわみを確認したことによる停止。これらについては、ともに「気温上昇による電線の伸びが、金具などの不具合により、吸収できなかったと推測」としている。

 

 

 また、12日に発生し、13日早朝まで影響があった停電による全線運転停止については「車両のパンタグラフ不具合により、停電が発生したと推測」と説明している。

 

 こうしてみると、電気関係のトラブルが多いようだが、鉄道評論家の川島令三氏は13日、本誌の取材に対し、「日暮里・舎人ライナーは『三相交流』という、シンプルな電気システムを採用しています。これは、ふだんから点検整備をしっかりしていれば、故障などはあまり起きないとされているものです」と、日常点検業務のあり方に原因があるのでは、と指摘していた。

 

 また、今回の発表で気になるのは、「気温上昇による」という部分だ。気象庁のデータによれば、10日の東京の最高気温は21.6度。たしかに、初夏を思わせる陽気ではあったが、真夏なら都心は35度以上の日もある。はたして、真夏の運行は大丈夫なのだろうか。鉄道ジャーナリストの梅原淳氏に、どのような対策がおこなわれるのかを聞いた。

 

「日暮里・舎人ライナーなどの新交通システムは、電車上部に架線はなく、線路の近くに電力を供給する電線があります。これが気温によって、伸びたり縮んだりします。鉄の線路も同じで、真夏は25mにつき1cm伸びることもあるため、あらかじめ、線路のつなぎ目に隙間を開けているのです。

 

 日暮里・舎人ライナーも、通常は気温が上がる夏前や、下がる冬前に電線の長さを調整するはずですが、今回は予測以上の気温上昇だったのかもしれません。本格的な夏に向けては、必ず調整されるはずです」

 

 たしかに、前日の9日は最低気温6.6度だった。気温差が激しかったため、そのぶん、電線が急に伸びてしまったということだろうか。しっかり対策することで、真夏のトラブルは防げそうだが、今回のような予測不能の事態が起こることはありうる。影響が大きいだけに、利用者には心配が残りそうだ。

( SmartFLASH )

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