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「チャットGPT」鳥取県は禁止、横須賀市は試験導入と判断分かれる…使うべきか使わぬべきか、チャットGPTに意見を聞いた

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.04.21 19:38 最終更新日:2023.04.21 19:47

「チャットGPT」鳥取県は禁止、横須賀市は試験導入と判断分かれる…使うべきか使わぬべきか、チャットGPTに意見を聞いた

チャットGPTを禁止した平井伸治・鳥取県知事(写真・時事通信)

 

 人工知能(AI)を使った対話型ソフト「チャットGPT」をめぐり、自治体間で対応が割れている。

 

 4月20日、鳥取県の平井伸治知事は、議会の答弁資料作成や予算編成、政策策定など、県の意思決定に関わる業務での使用を禁止すると発表した。それ以外の業務については、検討のうえ、ガイドラインを作成する。

 

 平井知事は「自治体の意思決定は、職員が現場で課題を聞き取り、自分の頭で考えることが必要。AIが集められるのは過去と現在の素材で、端末から出てくる答えは使いものにならない」と説明。

 

 

「チャットGPTより、『ちゃんとジーミーチー(地道)』で地道にやったほうがよっぽど民主的で、地方自治の本旨が生かされる」と持論を述べた。

 

 チャットGPTは、質問を入力すると、人と対話しているかのような自然な受け答えをしてくれる。質問に対する回答だけでなく、長い文章の作成や要約、さらにはプログラミング、関数の記述など多彩な機能を持っている。

 

 一方、同日、神奈川県横須賀市は、自治体として全国で初めてチャットGPTを試験導入した。

 

 上地克明市長は、市の幹部会で、チャットGPTについて「人々が幸せになるため、自治体は何ができるかを考えたときの一つのツール」と述べた。

 

 市では、すでに使用している自治体向けチャットツール「LoGoチャット」とチャットGPTを連携させることで、さまざまな用途に活用する方針だ。両者を連携させる仕組みは、市が独自に開発。この取り組みを発表するプレスリリースも、チャットGPTに下書きさせたという。

 

 鳥取県と横須賀市で対応が真逆になったことについて、SNSでもさまざまな意見が寄せられた。

 

《同じ日本でも自治体で態度が分かれたなぁ》

 

《どっちも重要なテストケースになるんだから、自治体の枠を超えてメリット・デメリットを評価し合うとかして欲しいなぁ》

 

 今回、チャットGPTを試験導入した横須賀市長は、俳優・上地雄輔の父で、「雄輔パパ」として知られる。SNSでは、雄輔パパに期待する声も多い。

 

《まだ新しい技術なので運用のルールは厳しく決めるべきだけど、業務効率化を図るひとつのツールとして活用する術を模索する為にも、スピード感ある決定をした横須賀市行政に期待したい》

 

《横須賀市の市長、電気自動車の普及を後押ししたり、IT企業誘致に積極的だったり、なかなかいいなと思ってたがこれもすごいね》

 

 チャットGPTをめぐっては、4月11日、西村康稔経産大臣が「国会答弁に活用する可能性を検討している」と発言。18日には農水省が使用を表明。総務省でも、松本剛明総務相が、20日に「まずは試みとして利用したい」と明かしている。

 

 鳥取県と横須賀市で正反対に分かれた判断は、はたしてどちらが正しいのか。チャットGPTに意見を聞いたところ、こんな返答が。

 

「申し訳ありませんが、私は人工知能であるため、意見を持っていません。ただ、チャットGPTは、人工知能が自然言語処理技術を用いて、人間のように自然な対話を行うことができるという技術の一つです。その利用は、倫理的な問題やプライバシーの問題があるため、慎重に検討する必要があると言われています」

 

 はたして、数年後はどのような評価になっているのか――。

( SmartFLASH )

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