社会・政治
藤井聡太四段「高校に行きたくない!」15の夜
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.08.06 11:00 最終更新日:2017.08.06 11:00
2017年7月19日、藤井聡太四段が15歳を迎えた。この日藤井四段は、郵便物を投函するために外出した以外は、一日自宅で静かに過ごした。母親の手料理で、家族での誕生祝い。2日後に対局を控え、将棋に集中したかったのだろう。
デビュー以来、大人たちを破り続けてきた優等生も、悩みはやはり進学のことだ。朝日新聞土曜版「be」(7月15日付)のインタビューで、「高校は行きますか」という質問に、少年は「まだわからないですね」と答えている。
同席した母・裕子さんが「中高一貫校なので高校には行けるのですが、出席日数が足りるかどうか」と口を挟んでいるが、母子には温度差がある。
将棋観戦記者の椎名龍一氏が話す。
「進学せずに、将棋一筋に打ち込む、というのが一昔前の常識でした。羽生善治三冠は高校に進学しましたが、出席日数が足りず卒業を認められなかった。結局、通信制の高校に転校しています。最近は大学に進む棋士も多いのですが、先崎学九段や橋本崇載八段のように、いまでも中卒の棋士はいます」
藤井四段は、偏差値65を超える国立の名古屋大学教育学部附属中に在学中。塾に行かずに合格したという逸話の持ち主だが、最近の口癖は、「学校に行きたくない」。将棋の研究に、もっと時間を割きたいのだという。
「ある先輩棋士に『将棋を指すなら高校に行く必要はない』と強く言われて、本人は『行かなくていいんだ』と心を決めたらしい」(文化部記者)
また囲碁のトップ棋士・井山裕太六冠(28)も中学1年でプロ入りし、最終学歴は中卒。井山六冠と対談した藤井四段は、「学校に行くと時間的な制約がかなり増えますので、そういった点で高校進学については自分の中で迷う気持ちというのはあります」と素直な気持ちを吐露している。
しかし、いまも将棋のルールさえ知らないという母は、そうはいかない。
「両親は2人とも、国立大卒の教育一家。息子を大学に行かせたい気持ちは強い。せめて高校までは、と思っている」(前出・文化部記者)
藤井四段の「15の夜」は、どんな対戦相手よりも手強い、母との話し合いが待っている。
(週刊FLASH 2017年8月8日号)