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加古川駅「ストリートピアノ撤去」報道で議論勃発「残念」「妥当」ピアニストYouTuberも憂う「利用者のマナー」

社会・政治 投稿日:2023.04.26 21:45FLASH編集部

加古川駅「ストリートピアノ撤去」報道で議論勃発「残念」「妥当」ピアニストYouTuberも憂う「利用者のマナー」

ストリートピアノは全国各地に設置されている(写真は愛知県・名鉄一宮駅に設置されたピアノ)(写真・共同通信)

 

 4月24日に「神戸新聞NEXT」が配信した、兵庫県・JR加古川駅のストリートピアノが一時休止・撤去されるというニュースが話題となっている。

 

 2022年11月、同駅の改札前に設置されたピアノだが、4月いっぱいで撤去されることに。記事によれば、演奏ルールやマナーを守らない利用者がいたため、加古川市や駅に苦情が入っていたという。運用時間が守られなかったり、酒を飲んだ状態で弾いたり、禁止されているにもかかわらず歌唱する人がいたりと、厳しい状況に置かれていたようだ。

 

 

 報道をうけ、SNSでは賛否どちらの意見も入り乱れ、議論が勃発した。

 

《ストリートピアノって、たまたま通りかかったときに誰かの弾いてる曲を聴いて「あ、これ知ってる♪」とかなるのが楽しいのに残念。》

 

《苦情があったからって簡単に撤去されてしまうのは寂しい… 私が見る限り子どもが女性にリクエストしてたり年代の違う男性同士で楽しそうに会話しながら弾いてたりする場面も多く見たのでほっこりしてました。。》

 

といった、ストリートピアノに対する好意的な意見の一方、「撤去は当然」とする意見も多く見られた。

 

音楽ってあったら良いけど無くても困らない場合の方が多いしルール違反や腕自慢が占領するようじゃ本来の意図とずれる時点で撤去も妥当》

 

《最近SNS投稿でもよく見られるから、目立ちたい目的でやる輩が増えたんじゃないか。何事にもまず表面的な結果から求めようとする行動がやたら目につく。》

 

 さらに話は発展し、日本におけるストリートピアノに対するイメージについても、「承認欲求が強すぎる」「曲芸っぽい」などと、意見が続々と集まっている。

 

《日本って本当に成熟してない社会だなと感じる。曲芸的な演奏をもてはやす風潮はずっと感じていた。わかりやすい指標でしか芸術を評価できない問題と同根。表現って本当はその先があるんだよ。日本には「感じる力」が足りない。》

 

《ストリートピアノについては、ぶっちゃけ不要派。あれって元々は「文化に溢れた豊かな街にしたい」というライトな願いの現れだと思うんですけど、今って完全に自己意識と自己研鑽を披露する場になってるじゃないですか。そういうのはコンサートホールでやれ、って思っちゃう。》

 

《日本のストリートピアノ、個人的には面白くないから好きじゃないんだ。音が自己承認欲求が強すぎて全く聴く気が起きない。ピアノ聴きたいなら、ちゃんと金払って聴きに行くわ。》

 

 一方、実際にストリートピアノを弾くピアニストたちは、また違う意見を持っているようだ。近年、YouTube上でも、ストリートピアノを弾く動画が人気を博している。そのなかで登録者210万人を超えるYouTuber・よみぃさんは、25日、自身の動画チャンネルでこの話題について語った。

 

 いわゆる「ストリートピアノ不要論」に関しては、「ストリートピアノの人気が広がりすぎて、いままで以上にマナー・ルールに関して世間の目にふれやすくなってしまった。結果、苦情も入りやすくなってしまった、というほうが近いんじゃないか」と持論を展開。世間でいわれる、ストリートピアノに対する悪印象の原因については「ストリートピアノそのものじゃなくて、利用者側のマナーだと思うんです」とも語った。

 

 よみぃさん自身、演奏時に注意している点がいくつかあるという。「ルールは必ず守る」「演奏時間を守り、並んでいる人がいたら譲る」「初心者だろうと中級者だろうと上級者だろうとプロだろうと、お客さんに聞かせる演奏のつもりで演奏する」ことが大事だと説明した。

 

 日本で初めてのストリートピアノが設置されたのは、2011年のことだった。いまや日本の各地に設置されているが、SNSの流行もあり、楽しまれ方、受け取られ方は時代ごとに変化しているのかもしれない。今回の騒動で、またひとつ議論が深まりそうだ。

( SmartFLASH )

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