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森元首相、オリパラ汚職・高橋被告の「よからぬ噂」知りつつ「便利な男」と理事就任了承 国民への説明から逃げ続ける理由
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.04.28 20:58 最終更新日:2023.04.28 21:05
「人脈が豊富な高橋(被告)は『便利』だと考えた」
東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、2022年、参考人として東京地検特捜部の事情聴取を受けた、大会組織委員会の会長を務めた森喜朗元首相(85)。
その際に供述した、広告代理店大手、電通の元専務の高橋治之被告(79)の理事就任についての経緯が、このほど明らかになった。
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「副会長を務めていた、日本オリンピック委員会前会長の竹田恒和氏から『スポンサー募集の専任代理店を担う電通出身であること』を理由に、高橋被告を推薦された森元首相は、『組織委員会のマーケティングなどのために、高橋は便利だと考えた』と供述していました。これまでも公判で、検察は『竹田氏の推薦があった』ことは供述調書の朗読で明らかにしていましたが、『電通出身を意識していた』というくだりは初めての内容です」(社会部記者)
また、森元首相が高橋被告に「危うさ」を感じていたという供述もあった。
「森元首相が、高橋被告の『悪い噂』を知りながら、理事につかせた、という部分です。森元首相は推薦された際、高橋被告の身辺調査と情報取集をしたようです。高橋被告周辺では資金の一部が使途不明瞭になっている、という『よからぬ噂』を耳にしていた、と語っていますが、最終的には人脈やスポンサー集めの手腕などを評価して、理事にしたと言います。
それならば森元首相をはじめ、組織委員会はもっと目を光らせるべきだったし、森元首相も、高橋被告のセッティングでスポンサーに選ばれる前のAOKI側と会食などをするべきではなかった、という声が上がっています」(司法担当記者)
いまだ、国民に向けて説明責任を果たしていない森元首相。
「森元首相は2022年12月、都内のイベントで『スポーツを愛し、大事にするみなさんを苦しませてしまったことは申し訳ない。組織委員会や五輪関係者が問題になったわけではなく、個人的な問題』と弁解しましたが、公の席で質疑応答をともなう会見はおこなわれていません。高橋被告を理事に選んだ当事者は森元首相です。高橋被告の個人的な問題で片づけるというのは無責任だ、という批判があがりました」(前出・社会部記者)
政治ジャーナリストの宮崎信行氏は、森元首相が政界への影響力を保つため、記者会見などを開くことはないのではないかと見る。
「森氏は、清和会の実質的オーナー、キングメーカーの地位を保ちたいのでしょう。そのためには、記者会見をして返答に窮する場面などは作りたくないと考えていると思います」
AOKI側の一審有罪判決がおりて、贈賄側のほとんどが起訴内容を認めている。国民は「何があったのか」を知りたいはずだ。
( SmartFLASH )