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日本維新の会「魔の2回生」を防げ!…300人規模の新人研修で「議員の心構え」をレクチャー
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.05.02 19:20 最終更新日:2023.05.02 19:29
日本維新の会が、4月の統一地方選で当選した新人議員に「議員としての心構え」をレクチャーするという。
「5月中に、党本部とは別の大阪市内の場所で、2日間かけて『新人研修』をおこないます。内容は『維新議員としての心構え』などです。講師の詳細はまだ決まっていませんが、代表の馬場(伸幸)はお話をすると思います」(日本維新の会関係者)
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人数は300名以上になる見通しだが、この研修会は「安倍チルドレン」を反面教師にしているという。
「2012年の衆院選で、自民党は『安倍チルドレン』と呼ばれた119人もの初当選者を出しました。2年後の衆院選も “安倍ブーム” が続いていたため、9割近くが当選2回となりました。
しかし、自覚のない議員も多く、未公開株をめぐる金銭トラブル、秘書に対する暴言、被災地での『おんぶ視察』、妻の妊娠中の不倫など不祥事が相次ぎ、『魔の2回生』などと揶揄されました。その二の舞にならないように、ということです」(政治担当記者)
だが、早くも「脇の甘さ」が露呈した事件が起きている。
埼玉県議選で当選した中村美香議員は、「住所要件を満たしていない」との異議申し立てが受理されている。居住実態がなかったことが確認されれば、当選無効となる。さらに、告示前に有権者十数人に会費の5倍相当の飲食を提供したとして、支援者が公職選挙法違反の疑いで逮捕されている。
また愛知県議選に立候補した田畑和紀容疑者(落選)は、報酬が支払われるウグイス嬢として登録した人物が、実は無給でなければならない通常の運動員だった疑いがあり、こちらも逮捕されている。
こうした事態に、ニュースのコメント欄には
《維新はまだ玉石混合だね。維新の理念を理解するよりも、議員になりたい人が当選しやすいからという理由で立候補する人が多いのだろう》
《「大急ぎで『数』を揃えようとすると“身体検査”が追いつかない」はその通りで今後の維新の一番大きな問題だろうね》
といった声があがっている。前出の政治担当記者は、
「6月解散説もささやかれるなか、日本維新の会は次期衆院選で、原則すべての選挙区で候補者を擁立する方針です。現在、候補者の公募を急いでいますが、しかし急ぎすぎて資質に欠ける人物が選ばれなければいいですが……」
と拙速を危惧する。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は「今後は地方組織が重要になる」と指摘する。
「維新は、統一地方選で目標に掲げていた『地方議員600人』をクリアして774人になりました。地方議員が多くなれば地方組織の足腰も強くなりますが、新人が多い維新はまだまだこれからです。
維新の幹部によると、次の衆院選の候補者は70〜80人ほど決まっているそうですが、地方組織がしっかりしないと今後の候補者の発掘や身体検査はできません」
地方組織がまだ育っていない維新の会。「魔の二回生」を生まないためにも、研修の成果に期待がかかる。
( SmartFLASH )