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岸田首相、任期中の改憲に意欲示すも辛坊氏「絶対ムリ!」泉前明石市長「急ぐ必要ない」相次ぐ疑問の声

社会・政治 投稿日:2023.05.04 15:30FLASH編集部

岸田首相、任期中の改憲に意欲示すも辛坊氏「絶対ムリ!」泉前明石市長「急ぐ必要ない」相次ぐ疑問の声

改憲には大きな “風圧” が(写真:つのだよしお/アフロ)

 

 憲法記念日の5月3日、岸田文雄首相は、憲法改正を求める民間団体が都内で開いた「公開憲法フォーラム」に、自民党総裁としてビデオメッセージを寄せた。

 

 同党が掲げる「自衛隊明記」「緊急事態対応」「合区解消」「教育充実」の改憲4項目をあげ、「現代的な早期実現が求められる課題だ」と強調。

 

 

 改憲について「容易なものではなく、これまで多くの先達が挑みながら到達できなかった道だが、挑戦し続けなければならない」と表明した。自衛隊明記については「きわめて重要だ」とも指摘した。

 

 岸田首相の念頭にあるのは、2024年9月までの、自身の自民党総裁任期。

 

 4月25日には、都内のホテルで開催された自民党憲法改正実現本部の会合に出席。「(2021年の)総裁選にあたって、任期中に憲法改正を実現したいと言って支持をいただいた。改憲に対する思いはいささかも変化していない」と強調した。

 

 5月3日付の産経新聞のインタビューでは、「現行憲法は時代の流れの中でそぐわない部分、不足する部分が生じている。先送りできない課題だ」と述べ、総裁任期中に改憲を実現することへの「強い思いはいささかも変わりない」とした。

 

 本命視されているのが2024年の通常国会での発議だ。国民投票法は、「国会が憲法改正を発議した日から起算して60日以後180日以内」に国民投票をおこなうと定めているため、2024年9月までに改憲を実現するには、通常国会で発議しないと間に合わない。

 

 5月3日の「公開憲法フォーラム」に出席した国民民主党の玉木雄一郎代表は、改憲に向けたスケジュールについてこう語っている。

 

「できるだけ今国会中に立憲民主党も含めて憲法改正の必要性についてのコンセンサスを何とか得たい。そして秋の臨時国会で具体的な条文案をまとめ、来年(の通常国会)の発議につなげていく。このスケジュールでいかないかぎり、岸田首相の任期中の発議は無理」

 

 緊急事態での国会議員の任期延長について、国民民主党は3月30日、日本維新の会、衆院会派『有志の会』とともに条文案を共同で発表。党派を超えて、共同で条文案を作成するのは異例のことだ。

 

 だが、自民党は「議員任期の延長」だけで発議することは想定しておらず、改憲原案づくりには踏み出していない。

 

 さらに自民党は、岸田首相が「きわめて重要だ」と述べているように、憲法9条改正による自衛隊明記に論点を移し始めている。だが、公明党の北側一雄副代表は、4月20日の衆院憲法審査会で、自衛隊を明記する9条改正案に「賛成できない」と述べた。公明が自民の条文案に明確に反対したのは初めてのことだ。

 

 5月3日、ラジオ番組『辛坊治郎ズーム そこまで言うか!』(ニッポン放送)で、キャスターの辛坊治郎氏は、岸田首相の自民党総裁任期中の憲法改正について、「絶対ムリ!」と断言。

 現在、国会では、憲法改正に前向きな自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党の4党で、憲法改正の発議に必要な3分の2の議席を、衆参ともに占めている。

 

 だが、辛坊氏は、最後は憲法9条堅持を理由に「公明党が乗らずに改憲できない」と解説。「少なくとも来年9月までに野党2党を巻き込んで憲法改正にたどり着く可能性はゼロです。もしそんなことになったら、私、もう即刻この番組やめます」と明言した。

 

 同日、兵庫県明石市の泉房穂・前市長も自身のTwitterにこう書きこんだ。

 

《誰のための何のための『改憲』なんだろう。日本の国民の給料を上げ、安心して子育てできる環境を整えるためであれば、『改憲』なんてしなくても、“雇用施策の転換”や“子ども予算3倍増”などで実現できる。総理大臣が歴史に名を残すための『改憲』なら、急ぐ必要はないと思う》

 

 2025年夏に参院選、秋に衆院議員の任期満了が控えるため、憲法改正にはリスクがともなう。岸田首相は自民党総裁任期中での改憲を実現し、「多くの先達が挑みながら到達できなかった道」を切り開くことができるだろうか。

( SmartFLASH )

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