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加藤厚労相、社会保険料を「少子化対策に使う余地はない」…SNSでは「ならば消費税を上げるのか」怒りの声
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.05.08 17:10 最終更新日:2023.05.08 17:10
5月7日、加藤勝信厚生労働相は『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ系)に出演。少子化対策の財源に関し、「年金、医療に使うお金を子どもに持っていくのは、正直言って余地はない」と述べ、医療や年金などの社会保険料引き上げによる財源確保に否定的な見解を示した。
少子化対策の財源に関しては、自民党の茂木敏充幹事長が5月4日、「現状では、増税や国債の発行で捻出することは想定していない。まずは歳出削減の徹底や、既存の保険料収入の活用で、できるかぎり確保したい」と述べ、国民負担をできるかぎり増やさない方針を示していた。
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番組で、茂木氏の考えについて問われた加藤氏は、「医療、介護、年金、雇用で社会保険料をいただいている。(給付と)均衡する形で(負担を)いただいている。年金に使う金を、医療に使う金を、子ども(政策の財源)に持っていくのは、正直余地はない」と指摘し、少子化財源への活用は困難だと強調。
また、「医療などは保険料を上げていかざるを得ない」としたうえで、財源のあり方について「社会保険料方式という形なのか税で負担していくのか、やるべき施策などを含めてよく議論させていただきたい」と述べた。
加藤厚労相が、既存の社会保険料の活用に否定的な見解を述べたことに、SNSでは怒りの声が噴出した。
《いやいや。加藤さん、社会保険料は若者や子供にも使ってください。高齢者には使って子供に使う余地ないって躊躇なく言うのはおかしくないですか?》
《ま、厚労省から切り出されちゃったから、少子化対策は上から降ってくるものであって、厚労省内で考える問題じゃなくなったもんな》
《消費税増税に持っていくフリにしか思えないんだけど‥》
《この後に続く言葉は「だから消費税を上げて増税しよう」でしょ?》
政府は6月の「骨太の方針」の策定までに、将来的な子ども・子育て予算の倍増に向けた大枠を示す方針だ。だが、少子化対策の内容や財源が明確化しないことに、SNSではこんな声もあがっている。
《「子ども保険」創設か、消費税増税か、しょぼい「施策」の縮小か。大軍拡とあまりに違う扱い》
《防衛費は超速で上げるのにねー(怒)》
『日曜報道』と同時間帯に放送された『日曜討論』(NHK)には、小倉将信こども政策担当相が出演。少子化対策の財源について、消費税の引き上げには否定的な見解を示し、それ以外は国債の発行も含め、あらゆる可能性を排除せずに議論を進めていく考えを示した。
若者の労働・貧困問題に取り組むNPO法人POSSEで学生ボランティアをつとめる岩本菜々氏は、小倉氏にこう疑問を投げかけた。
「社会保障の話になった途端、財源の話から入るなと。『財源がないから難しい』とか、『やるなら財源どこかから取らないといけないから無理』だとか。いつも社会保障の話は要求が封じ込まれていく。
その一方、オリンピック開催とか防衛費増額という話になったとき、財源の話って最初にあったっけ? というふうに思う。結局、開催ありき、増額ありきだったわけじゃないか。そもそも少子化対策、社会保障は優先順位が低く見積もられているんじゃないか」
小倉氏に正論をぶつけた岩本氏には、SNSで称賛する声があがった。
《言いたいこと全部言ってくれた》
《みんなの言いたいことを代弁してくれてありがとう》
《自民党は教育や福祉については「財源ガー」と喚く癖に、自分達の利権絡みの政策については最優先で予算を確保するんだよね》
防衛費増額に比べて、一向に具体化しない少子化対策とその財源。6月の「骨太の方針」の策定まで、残された時間は少ないのだが……。
( SmartFLASH )