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1頭が安楽死の「上げ馬神事」に集まる批判「命を使い捨てにするな」美談に仕立てる地元メディアの姿勢にも疑問が

社会・政治 投稿日:2023.05.11 22:00FLASH編集部

1頭が安楽死の「上げ馬神事」に集まる批判「命を使い捨てにするな」美談に仕立てる地元メディアの姿勢にも疑問が

波紋を呼んでいる三重県桑名市の「上げ馬神事」(写真・共同通信)

 

 5月4日、5日に三重県桑名市の多度(たど)大社でおこなわれた伝統行事「上げ神事」に、多くの批判が寄せられている。

 

「上げ馬神事」は、約700年の歴史を持つ伝統行事で、青年が馬にまたがり、約2mの急な土壁を乗り越えさせ、その回数などで豊作や吉凶を占うもの。毎年、多度大社と猪名部(いなべ)神社でおこなわれており、県の無形民俗文化財に指定されている。

 

 

 多度大社では、大型連休シーズンの恒例行事としておこなわれていたが、ここ数年は新型コロナウイルスの影響で中止されており、4年ぶりの開催となった。だが、SNSでは、壁を乗り越えられなかった馬が逆さまに転倒したり、興奮して暴れまわったりする姿を映した、神事の動画が拡散。初日は12回挑戦して成功者なし、2日めは6回のうち成功は3回という難易度の高さで、1頭が安楽死となったことが報じられた。一連の様子に、SNSでは批判が殺到している。

 

《上げ馬神事、ひどいと分かっていて動画見てしまったんだけどつらい。逆さまになって落ちていく馬、そりゃ無事じゃいられないよな。今回流れてきて知ったけど結構前から問題視はされていた様子。人間がスリルを感じるための祭りならやめてしまえと思う。残虐なやり方ではなく続ける方法はあるはず。》

 

《上げ馬神事のツイート辛くて涙出ちゃう エゴすぎ 人間のおもちゃにされて、死んじゃうなんて悲しい》

 

《え。今年も馬死なせちゃったの。上げ馬神事。1日目のやつテレビで見たけどあれは坂じゃない。登るものじゃない。馬に乗る子もご両親も誇らしげだったけど。本当にやり方変えなきゃいけないよ。命を使い捨てにするな。》

 

 過去にも、こうした指摘は出ていたようで、2011年には、興奮させるため、馬を本番直前に殴ったとして、動物愛護法違反容疑で地元住民ら5人が書類送検されたとも報じられている。

 

 だが、地元のテレビ各局は「上げ馬神事」を肯定的に報道した。騎手の青年にインタビューし、「父に恩返ししたい」といった言葉を紹介するなど、感動的な構成にした局もある。そうしたテレビ局の姿勢にも、疑問を抱く人が多いようだ。

 

《三重県多度大社の上げ馬神事、いろんな団体さんや一般からの反対署名などあるけど開催したんだね。テレビはそっちを一言も報じず(これは変では)4年ぶりヤッホー!を連呼です。》

 

《このような動物虐待ショーを美談のように語らないで欲しい》

 

 騒動をうけ、日本維新の会の串田誠一参院議員は、Twitterで《三重県の多度大社の上げ馬神事に多くの方からご意見やご要望を頂いています。伝統行事と動物虐待に関しては、アニマルウェルフェア議連で取り上げる予定でありますが、個人的にも環境省に質していきます。昔から行われているというだけで動物虐待が許されることにはなりません。》と言及。立憲民主党の塩村あやか参院議員も《選出議員に相談してみます》と、問題視する姿勢を見せた。

 

 また、上げ馬神事に起用される馬はサラブレッドだが、ある競馬ライターは「こんなことをサラブレッドにさせるとは、信じられない」と憤る。

 

「“ガラスの脚”と呼ばれるほど、サラブレッドの脚は細く故障しやすいものです。競走中の骨折は多いのですが、そのほとんどは、ひびが入ったり、剥離骨折程度。これはしばらく治療すれば治りますが、ぽっきりと折れた場合、粉砕骨折や開放骨折ではまず助からず、殺処分となります。400kg、500kgの巨体を、残り3本の脚で支えると、それらの脚に負担が大きく、蹄葉(ていよう)炎など、さまざまな疾病を起こすためです。

 

 この祭りのようなことをさせれば、重度の骨折の可能性が高いことは間違いないでしょう。脚だけでなく、ひっくり返れば骨盤などの骨折もありえます。しかも、まわりであれだけ大勢の人間にけしかけられて、馬はパニック状態に陥っているので、危険度はさらに高くなるはずです。

 

 数百年の歴史があるということは、以前は日本の在来種の馬を祭りに使っていたということです。サラブレッドが体高160~170cmあるのに対し、在来種は120~130cmとかなり小柄。しかも農作業にも用いられていたように、脚もサラブレッドよりは丈夫だったはずです。とはいえ、いまは在来種の馬を確保することも難しい。引退した競走馬の多くは、ひっそりと処分されていることも事実ですが、こうした形で命を落とすのは、いち競馬ファンとしても非常に残念です」

 

 4年ぶりの開催となった上げ馬神事だが、あらためて厳しい問いを突きつけられることとなった。時代と伝統の衝突に、答えは出るだろうか。

( SmartFLASH )

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