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【実録】マンション高騰でも軽い気持ちで「ペアローン」は組むな!「離婚不動産」は売れず、住めずに地獄
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.05.14 06:00 最終更新日:2023.05.14 06:00
時代は繰り返すというが、いつの時代にも芸能人同士のお騒がせな離婚劇は存在した。
5年以上経っても強く記憶に残っているのが、おしどり夫婦で知られた船越英一郎(62)と、松居一代(65)の壮絶なバトルだ。松居が船越の不倫疑惑や “財産乗っ取り計画” をぶち上げると、船越は早期解決を目指すために「財産分与放棄」を選択した。
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それ以外にも、糟糠の妻と2019年に離婚した後、「全部取られた」とネタ気味に話していたビートたけし(76)や、2016年3月の協議離婚後に法廷闘争を繰り広げた高橋ジョージ(64)、三船美佳(40)夫妻のように「財産分与」で争うケースも多く見受けられてきた。
しかし、こういったワイドショーでの騒動は、一般人にもまったくの他人事ではなくなってきているのだ――。
宅地建物取引士で、夫婦問題診断士でもある小林幸生氏が話す。
「離婚時に処分が必要になる、結婚生活中に購入した持ち家、通称『離婚不動産』は、さまざまな要素から、トラブルの種になっています。そして、近年多い『ペアローン』でのマイホーム購入も大きなトラブルの要因です。
女性の経済力が上がったこと、不動産の高騰で夫だけではローンが組めなくなったことで、夫婦での借り入れが増えていますが、ペアローンで購入した物件は共有名義になります。『売る・売らない』『住む・住まない』で、離婚時に2人の意見が合わないと、売却も継続居住もできないし、そんな状態では冷静に話し合うことも厳しい。
また、資産価値よりもローン残高が多い “オーバーローン状態” になっていることも多く、対応が難しいんです」
ここからは、夫婦問題診断士協会代表の寺門美和子氏が立ち会い、助言した「離婚不動産」の実録を見ていこう。
【Case1】ポツンと注文住宅で売却に苦労、離婚も進まず出した「答え」
夫・Aさん(40代)と妻・Bさん(30代)の夫婦は限度額いっぱいまでペアローンを組んで、注文住宅を購入した。しかし、些細な喧嘩から一気に離婚話に発展。それは、住宅購入からわずか数カ月後のこと。
自宅の周辺地域には建売住宅が多く、建築費が1000万円ほど余計にかかっていた注文住宅はペアローンを一括返済できる価格では売れなかった。
「まずはオーバーローンを解消しようと、互いの両親や親戚にも相談し、資金調達を目指しましたが難航しました」(寺門氏、以下同)
その結果、不動産を売れない、離婚もできないという状態に陥った。
「最終的に注文住宅を賃貸物件にすることを提案。夫妻は納得して離婚しました」
賃貸収入は不動産業者から2人それぞれに折半された額が振り込まれ、オーバーローン状態が解消されるまで、2人でローンを払い続けている。
「正直、ペアローンを組んだら『もう離婚できない』という覚悟が必要です。もしくは万が一、離婚する場合のことを考えて、限度額いっぱいの借り入れはオススメしません」
【Case2】マンション→戸建て引っ越し直前の離婚、一人残されローンが
都内の高級住宅地のマンションに自宅を構えていたCさんとDさん(ともに40代半ば)の夫婦は、自宅に近い地区で注文住宅を購入した。
しかし、そのころから夫婦生活を送るうえで意見が合わなくなり――。
注文住宅を依頼した不動産業者にマンションの売却もまかせていたが、なかなか売れない。注文住宅への引っ越し前に離婚を決めていたので、ペアローンも組めなかった。
「離婚後はご主人が注文住宅に住むことを希望しましたが、マンションを売却できないことには注文住宅のローンが組めません。市場価格の7~8割減の価格で、不動産業者にマンションを買い取ってもらい財産分与。それを頭金にして、夫一人でのローンをなんとか組んで通しました」
※《【実録】前妻の子供が “後妻との事業成功” を嗅ぎつけ…複雑な相続をさらに悩ます「離婚問題」と「家族間抗争」》に続きます