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【リニア問題】「完全に嫌がらせ」ホリエモンもあきれる川勝知事「科学的根拠に基づいている」の言い分…大井川流域市長も「流出量は誤差内」と反論
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.05.17 18:04 最終更新日:2023.05.17 18:04
実業家のホリエモンこと堀江貴文氏が、5月15日、自身のTwitterを更新。「川勝知事『科学的根拠に基づいていること 伝わっていないのは残念』山梨知事“不快感”に反論 リニア・地下水流出問題めぐり」というニュース記事を引用し、
《完全に嫌がらせ以外の何者でもないでしょ笑。リニア新幹線実用化は日本の産業サプライチェーン維持にとって非常に大事》
と投稿した。
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この記事は、リニア中央新幹線のトンネル工事のため、山梨・静岡の県境でおこなわれているボーリング調査に関するもの。地質や地下水の状況を調べるため、山梨県から静岡県側に向けて直径数十センチの孔が掘り進められている。
静岡県は5月11日、県境から300メートルまでの区間を掘削しないよう求める文書を、JR東海に送った。ボーリングにより、静岡県の地下水が山梨側に流出する可能性があるというのが、静岡県の言い分だ。
これに対し、山梨県の長崎幸太郎知事が「静岡県には大変強い違和感を感じている。山梨県内で出た水は、山梨の水だというのが常識的な考え方」と不快感を示すと、静岡県の川勝平太知事は15日、「科学的根拠に基づいてやっているのが伝わっていないことは残念に思う」と会見で述べたが、JR東海への文書は撤回しないとしている。
JR東海の資料によれば、17日の時点でボーリングは県境から583メートルの地点まで進んでいる。ボーリング孔から湧き出る水は、1分あたり約30リットルとなっている。
「科学的根拠に基づいている」という川勝知事だが、肝心の大井川流域の自治体とは考えが異なっている。
市の真ん中を大井川が貫き、その水量変化が大きな影響を受ける島田市の染谷絹代市長は、5月12日放送のNHK静岡放送局の番組に出演し、リニア問題について語っている。
染谷市長は、JR東海が提示した田代ダムの取水抑制案について「いま考えられる唯一の方法」と評価。
否定的な発言を繰り返す川勝知事に対しては「大井川上流部の地下の地質構造はまだ解明されていない部分が多く、議論を尽くせばわかるわけではない。そうしたなかで、リスクの高い議論をしていかないといけない。リスクにも軽いものと重いものがあり、それを一様に議論しているとなかなか前に進まないのではないか」と話している。
染谷市長は、問題の根本的な点についても説明している。国の有識者会議の中間報告では、大井川の流量は年間約19億トンで、年により±9億トンもの変動がある。これに対し、リニアのトンネル工事で流れ出す水量は最大で500万トン。これは大井川の年間水量の0.2〜0.3%にすぎない。つまり、自然環境の誤差の範囲内に収まる数値だという。
そもそも大井川の中下流域で使われている地下水は、ほとんど周囲の降水や近くの川の水が浸透したもので、川勝知事が問題としている上流部の地下水の影響はないこと、中下流域では大井川の流量が維持されることが、中間報告で明らかになっている。
堀江氏は先のツイートに続けて、
《しかし、リニア新幹線の静岡県知事問題は沖縄の辺野古基地移転みたいな問題になってきたな。国もそろそろ強権を発動した方がいいように思う》
と投稿。これらに対するリプライは
《まさしくそれ 反対することの理由ではなく反対することに意義を感じ始めてるよな》
《国益に関することを、一地方自治体の長が無茶苦茶にすることができる今の仕組みを見直すべきです》
など、堀江氏に賛同する意見が多数を占めている。
( SmartFLASH )