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北朝鮮がグアムに向けて発射するミサイルは「秒速3km」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.08.12 06:00 最終更新日:2017.08.12 06:29
トランプ米大統領が「炎と激怒」で北朝鮮を攻撃すると宣言した数時間後の2017年8月10日、北朝鮮は国営放送を通じ、8月半ばまでに「火星12」と呼ばれる4基の中距離弾道ミサイルを、米国領グアム島付近に発射する準備を整えると発表した。グアム島には米軍基地があり、16万3000人が暮らしている。
これに対して、トランプ大統領は「金正恩はアメリカに対する敬意が欠けている。北朝鮮がグアムに何をするのかみものだ。万が一のことがあれば、誰もが想像を絶する事態が北朝鮮に訪れるだろう」とぶち上げた。すかさず記者から「それはどういう意味だ」とツッコミが入ると、「今にわかるさ。今にね。彼は思い知るよ」と映画のセリフのような回答をした。
およそ世界の大国アメリカのトップの発言とは思えず、まるでプロレスのマイクパフォーマンスのようだが、敵がいてこそ輝く、これぞトランプ大統領の本領発揮といえるかもしれない。
渦中のグアムの人たちは、どう感じているのだろうか。
グアムの地元紙「Pacific Daily News」は「心配です。特に子供たちを怖がらせたくない」という母親や「恐ろしい。それにグアムを大国間の諍いに巻き込む必要がまったくわからない」と話す地元民の声を取り上げている。
イギリスBBCはグアムのビーチで取材を行なっているが、浜辺には海を楽しむ家族連れやカップルの姿が多く見られ、いつものグアムとなんら変わりがない様子が映し出された。BBCは、海辺での人々の様子から北朝鮮の脅しは成功していないとしているが、もし実際に北朝鮮がミサイルをグアム周辺に発射すれば、状況は一変するだろうと結んでいる。
北朝鮮が8月中旬までに準備を終えた場合、発射はいつごろになるのか。可能性が高いのは、米韓合同軍事演習が始まる8月21日近辺と、北朝鮮の建国記念日である9月9日だ。
もしミサイルが発射されれば、ミサイルは島根県、広島県、愛媛県、高知県の上空を飛び、1065秒(17分45秒)後に着弾することになる。この間の飛行距離は3356.7kmと想定される。ざっくり計算して秒速3.2km。単純計算で日本の上空を80秒ほど飛行する見込みだ。