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ついに静岡市長もリニア工事ボーリング調査に「何も問題ない」徐々に狭まる川勝県知事への“包囲網”

社会・政治 投稿日:2023.05.25 19:00FLASH編集部

ついに静岡市長もリニア工事ボーリング調査に「何も問題ない」徐々に狭まる川勝県知事への“包囲網”

2023年4月、JR東海の丹羽俊介社長(右端)、金子慎会長(右から2人め)と静岡県庁で会談する川勝平太静岡県知事(左から2人め)(写真・時事通信)

 

 静岡市の難波喬司市長が、5月24日の定例会見で、リニア工事について言及した。

 

 静岡と山梨の県境でおこなわれているボーリング調査について、記者から質問を受けた難波市長は「個人的見解」と前置きしながらも「山梨県境まで掘っていい。副知事時代から一貫して、そう思っている。300m手前で止めるという議論には賛同しない」と明言。地下水を浴槽の水にたとえ、「(ボーリングの)このくらいの口径(10数cm程度)のもの(孔)で風呂の水を抜いたとき、300m先まで水を引っ張るとは考えられない。何も問題ない」とした。

 

 

 難波氏は、名古屋大学大学院で土木工学を学んだ専門家。旧運輸省・国土交通省で重職を歴任し、2014年に静岡県副知事に就任。2023年4月の市長選で当選をはたし、静岡市長に就任している。市長選の出馬に際して「個人として、リニア事業についてどのような価値判断をもっていたとしても、行政判断としてはリニア事業の推進に協力すべきである」との公約を掲げている。

 

 問題となっているボーリング調査は、リニア中央新幹線の「最大の難所」といわれる南アルプストンネル工事のため、地質を調べる目的で、2023年2月からおこなわれているもの。山梨・静岡の県境から815m離れた山梨県内の地点から、静岡側に向かって掘っており、5月20日の時点では、県境から459mまで掘り進んでいる。

 

 これに対し「待った」をかけているのが静岡県だ。ボーリングによって、静岡県の地下水が山梨に流れる可能性がある――という言い分だ。この無茶な理屈に対しては、山梨県の長崎幸太郎知事も「静岡県にはたいへん強い違和感を感じている。山梨県内で出た水は、山梨の水だというのが常識的な考え方」と、不快感を示している。

 

 これまで、何かと理屈をつけて、リニア工事を阻止し続けてきた静岡の川勝平太知事だが、“包囲網”が徐々に狭まりつつあるようだ。

 

「川勝知事は、大井川の『命の水』を守ると言っていますが、その大井川流域の自治体とは足並みがそろっていません。島田市の染谷絹代市長は、JR東海が提示している田代ダムの取水制限案を評価し、無益な議論より、ことを前に進めるべきだと主張しています。そもそも、大井川の中下流域で使われている地下水は、上流部の地下水の影響はほとんどなく、中下流域では大井川の流量が維持されることが、国の有識者会議の中間報告で明らかになっています」(週刊誌記者)

 

 5月24日、都内で開かれた関東地方知事会議に出席した川勝知事は、事前の調整なくJR東海にボーリング調査停止を求めたことについて、山梨県の長崎知事に謝罪したものの、調査停止要請については撤回しない、と明言した。

 

 SNSには

 

《静岡県民川勝何とかしろ》

 

《本当に“理不尽“としか言い様が無いなぁ……》

 

《この非科学的な難癖でリニアを遅らせ続ける静岡県知事を政府は何とかすべきだ。国益が大きく毀損している》

 

 など、怒りの声が渦巻いているのだが――。

( SmartFLASH )

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