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「悪ノリ忘年会で更迭」の岸田翔太郎氏“ライバル”岸信千世氏もうらやむ顔の広さで再就職は安泰か

社会・政治 投稿日:2023.05.31 19:15FLASH編集部

「悪ノリ忘年会で更迭」の岸田翔太郎氏“ライバル”岸信千世氏もうらやむ顔の広さで再就職は安泰か

2014年、慶大の卒業式にて。ゼミでの印象は薄かったようだが…(写真は本人のFacebookより)

 

 岸田文雄首相の長男で、首相秘書官を務めていた翔太郎氏が、2022年末の首相公邸で忘年会をおこない、親戚10人以上で組閣ポーズを取るなど、悪ノリ撮影に興じていたことが発覚。6月1日付での辞職が発表された。

 

 となれば、気になるのが今後の去就だ。そのヒントが、本誌が2023年4月18日号で取材していた、翔太郎氏の学生時代のエピソードにあった。

 

 

 1991年生まれの翔太郎氏が通ったのは、岸田首相の地元・広島の藩校由来の名門、修道中学・高校だった。同級生のAさんは当時、翔太郎の印象をこう語った。

 

「クラスの中心にいる感じじゃなかったですね。目立たない存在でした。政治家の息子というのはもちろん知ってましたけど」

 

 とはいえ修道高校は、広島でトップクラスの進学校。高校時代の同期にも、地元の広島大をはじめ、名だたる国立大医学部を経て、いまは医師になっている者が多い。翔太郎氏は、こうした理系のエリート層ともFacebookでつながっており、首相の父が盛んに叫ぶ「DX革命」を支える業界にも顔が広いといえる。

 

 翔太郎氏は一浪後、慶應義塾大学法学部政治学科に進み、同じ修道高の先輩でもある河野武司教授のゼミに所属。バドミントンサークルに所属した。

 

 慶大には体育会以外に3つの公認バドミントンサークルがあるが、翔太郎が所属したのは、うち3番手の規模のKBF(慶應バドミントン同好会バードフェローズ)。メンバーは常時100人を超える。Facebookの「友だち」にもこのKBFの仲間は多いようだ。目立つのが理工学部出身者で、多くが大学院まで進み、卒業後は一流メーカーや官庁に勤めたり、すでに起業したりしている人も。

 

 河野ゼミの後輩という会社員の女性、Bさんにも当時、話を聞いた。翔太郎氏は学内では「キッシー」と呼ばれていたという。Bさんには、翔太郎氏がどこか浮いていたようだったと回想している。

 

「私の所属したゼミは就職に強いのと、コンパが盛り上がることで知られていました。というのも、“楽勝”(単位が取りやすいこと)のゼミということで、エスカレーターで下から上がってくるゼミ生が多く、みんな超個性的なんです。

 

 だから、キッシー先輩はあんまり印象がなくて……(笑)。ゼミ生を引っ張っていくタイプじゃなく、隅っこでシュールなひとことをボソっとつぶやく感じでした」

 

 翔太郎氏が有名な政治家の息子であることは誰もが承知していたが、格別、とやかく言われもしない。慶應には同様の学生がゴロゴロしており、まわりはそれが当たり前だと思っている。翔太郎氏も、すぐにそう悟ったようだ。Bさんは回想を続ける。

 

「私もそうなんですが、地方出身者は当初、肩身が狭く感じるんです。キッシー先輩も、見かけはチャラくても、根はまじめな人でした。でも、政治家に向いてないのではと、当時から疑問に思ってました(笑)」

 

 2012年12月の衆院選では、父の手伝いを優先させ、翔太郎氏があらかじめ決まっていたゼミ合宿への参加を突如、キャンセルするという事態があった。このとき、河野教授が一同の前で翔太郎氏をきつく叱責。以降、仲間から「親父の鞄持ち」と、よくからかわれていたという。

 

 修道では翔太郎氏の1期後輩で、大学では学科同期となったCさんにも当時、取材している。翔太郎氏のライバルとも報じられる、岸信介のひ孫で、4月に衆議院山口2区補選にからくも当選した、岸信千世氏とも親しい人物だ。

 

「2人が知り合ったのは、お互い慶大を卒業してからですね。社会人2年めあたりに、岸から『岸田を紹介してほしい』との連絡があり、彼らをつなげたのは僕です。岸としては、岸田の父親が首相候補という面にも関心があったのでしょうが、なにより岸田本人の幅広い交友関係に注目していました」

 

 幼稚舎から慶應育ちの信千世氏にとって、翔太郎氏が高校や大学時代を通じて築いた、若くきらびやかな人脈が魅力的に映ったのだろうか。

 

 河野ゼミのツイッターには、文字が書き連ねられたパネルを前に、真剣な表情で解説をする翔太郎氏の姿があった。まじめで目立たない存在だけれど、起業家をはじめ多くの友人を持つ翔太郎氏。かりに政界から離れても、再就職の手を差し伸べてくれる仲間は多いはずだ。

 

取材&文/鈴木隆祐

( SmartFLASH )

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