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維新・馬場伸幸代表“政権奪取計画”を独占告白「組むなら菅さん&萩生田さん」「岸田さんはアカンなあ」

社会・政治 投稿日:2023.06.06 06:00FLASH編集部

維新・馬場伸幸代表“政権奪取計画”を独占告白「組むなら菅さん&萩生田さん」「岸田さんはアカンなあ」

高校時代はラグビーに明け暮れたという「維新の会」馬場伸幸代表

 

「我々が政権奪取に“本気だ”と、国民のみなさんに感じていただけたからでしょう」

 

 と、明るい声で語るのは「日本維新の会」の馬場伸幸代表だ。元気なのにはワケがある。この男はいま、政界の“台風の目”なのだから……。

 

「4月の統一地方選挙では、維新所属の地方議員が470人から774人に増え、まさに独り勝ちでした。岸田文雄首相は、G7効果で上昇した支持率に乗じた総選挙を狙っており、永田町では解散風が吹き荒れています。この選挙で維新がどこまで伸びるのかが、最大の焦点です」(政治部記者)

 

 

 そこで本誌は、渦中の馬場代表に独占インタビューを敢行。“政権への道”を聞いた。

 

「まず我々の最終目標は、日本を大改革することです。そのために『中期経営計画』を策定しているんです。ひとつめは、2022年の参院選で改選議席数の倍増と『比例票』で野党第1党になるという目標。これはクリアしました。2つめが今回の統一地方選。これもありがたいことに、目標の600人を超えました。そして残るは、次の衆院選で野党第1党の議席を勝ち取ることです」

 

 馬場代表は、これまで計画どおりに進んできた要因を、維新が“非自民”の受け皿になったからだと分析する。

 

「そもそも、自民党を支持する理由の1位が『ほかに適当な政党がないから』ですからね。しかも岸田政権は、すぐに増税と国債発行という名の借金で、国民に負担を押しつけてくるでしょう。国民負担率はもう50%近く。給料の半分が、税金と社会保険料で持っていかれているんですよ。春闘で、そこそこ給料が上がったとしても、負担が増えて手取りは変わらない。全国を歩くと『いまの自民党ではアカン』という国民の声は、確実に増えていると感じます」

 

 だが、野党第1党たる立憲民主党は、政権の“粗探し”に終始しているとする。

 

「あの政党は、自民党のスキャンダルが出たら『キター!』という感じで、そればかり国会で追及するでしょう。本来、国会は、政府のA案に野党がB案を提示するという、生産的な場であるはずなのに。彼らは、野党第1党というポジションを守ろうとしているようにしか見えへん。僕らは、本気で自民党を引きずり降ろそうと思っていますからね」

 

 維新の強みは、大阪でおこなってきた改革の“実績”だ。

 

「自慢話になりますが、維新は『有言実行』ですからね。僕らが大阪でずっとやってきたのが『身を切る改革』。たとえば、大阪府議会では12年かけて109議席を79議席に減らしました。そして議員報酬も3割カット。改革を進めたことで財源が生まれ、幼稚園、保育園の無償化はどんどん拡がっているし、小中学校の給食費の無償化も、多くの自治体がやっています。こうした改革が『奈良でも和歌山でも兵庫でもやってほしい』と、関西一円で拡がっています。タイムラグはあれど、全国にも拡がるはずです」

 

 一方、維新の勢いを受けて、「自公維」「自公維国」などといった“連立方程式”が取り沙汰されている。与党になることで、“改革”を実現する方法もあるはずだが……。

 

「そこは慎重に考えなアカンと思います。新自由クラブ、新党さきがけ、日本新党など『第三極』と言われ、自民党と連立を組んだ政党は、最後はみんな自民党に吸収されましたから。私や松井一郎前代表ほか、維新の中心にいるメンバーは、ほとんどが元自民。自民を割って出た人間が、また自民党に飲み込まれていくなら、なんのために出たんやということになる。それに“検討使”の岸田さんはアカン。我々は、あくまで単独政権を目指すつもりです」

 

 だが、自民党が分裂するとなれば話は変わってくる。

 

「ダメな議員が増えてくると、やがて“青雲の志”を持っている人間は『つき合うてられん』と考えます。そのときに政権を担える政党があれば『ほな、そっち入ってやろか』と考える。これが、大阪で維新が生まれた歴史です。この歴史が、再び国政という場で起きることも、視野に入れながらやっていくことになります。自民党に限らず、改革マインドを持った政治家が結集できるような『核』を、僕らは作ろうとしているんです」

 

 では、自民党が割れたときに具体的に誰と組むのか。馬場代表はその名を明言した。

 

「組むとしたら、筆頭は菅義偉(よしひで)前首相でしょうね。政治家は、コメンテーターとは違う。結果を出さなアカンのです。それを実行してきたのが菅さんだと思います。菅さんはよけいなことをおっしゃらないから、こんな話はしたことはありませんけどね。菅さんが総理になり、初めてお会いしたときの言葉を思い出します。開口一番『(総理に)なっちゃったんだよ!』とおっしゃった。やはり政局ではなく、政策の人なのだと感服しました」

 

 ほかに有力な“改革保守”として挙がったのが、萩生田光一政調会長の名だ。

 

「萩生田さんは安倍政権の中枢におられて、僕らの目標になる人でした。当時、雑談中に『萩生田さんやったら、これから総理になれるんちゃいます?』と聞いたことがある。あのときはあっさり否定されたけど、尊敬できる人です」

 

 一部では、国政に野心を抱く小池百合子都知事と、関東圏の地盤が弱い維新が、タッグを組むという噂も出ている。

 

「小池さんとは、そういう微妙な話をしたことはありません。ただ小池さんには、僕らが持ってるような改革への強い理念をあまり感じません。自分が総理になりたいだけというふうに、私には見えますけどね」

 

 維新政権の現実味が増せば、気になるのは橋下徹氏や松井氏など、かつて“維新の顔”だった元政治家たちだ。

 

「かつての橋下さんは“真剣勝負”やった。なんでもスパッと切っていたのに、いまは木刀や竹刀を振りまわしているような感じがします。本人も、日々、おもしろくないんじゃないかな……。松井さんは10年以上、先頭に立ってきたわけで、疲れを癒やしたいでしょう。辞め際に『自分を動かすのは怒り』と言うてたけど、その怒りが今後、出てくるかどうか」

 

 では、維新内閣は馬場総理で決まりなのか。この問いには、こうはぐらかした。

 

「いやいや、僕はそんな偉いもんちゃいますよ(笑)」

 

 高校時代、ラグビーに熱中し、大学進学を断念した馬場代表。政権奪取へ“トライ”が近そうだ。

 

写真・長谷川 新

( 週刊FLASH 2023年6月20日号 )

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