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「腹ばいにされ手を強く踏まれました」G7サミットの裏で警察が「反対デモ」にやりたい放題の「暴力制圧」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.06.06 06:00 最終更新日:2023.06.06 06:00

「腹ばいにされ手を強く踏まれました」G7サミットの裏で警察が「反対デモ」にやりたい放題の「暴力制圧」

「21日の制圧の後には、警察が15分ほど商店街の各店を閉め切り、客を外に出さないようにしていました」(商店街の店主)

 

 2019年夏の参院選、札幌で演説中の安倍晋三元首相にヤジを浴びせた市民2人を、道警が排除。表現の自由を侵害されたとして、2人は訴訟中だ。さらに、2023年4月には、佐賀県でおこなわれた岸田文雄首相の応援演説会場に張られた「プラカード等の掲示は禁止」「ヤジ等参加者の迷惑になる行為の禁止」の注意書きに、SNS上で疑問の声が上がった。

 

 こうした“言論封殺”の余波か――。ウクライナのゼレンスキー大統領の訪日に日本中が注目するなか、凄惨な「デモ排除」がおこなわれていた。

 

 

「ガシャン! と大きな音がしたので振り返ると、商店街の店舗前で、機動隊員がデモ参加者のひとりをうつ伏せにし、数人がかりで押さえつけていたんです。その様子に、中国の天安門事件を思い出しましたよ。あまりにデモ隊が痛めつけられていたので『この様子は記録に残しておかないと』と、思わずスマホを向けました」

 

 そう語るのは、今回、掲載した動画を撮影した地元在住の会社員男性だ。5月21日、G7広島サミットに反対するデモ隊に、警備のために広島県に派遣された警視庁第4機動隊が衝突。約10分間、合わせて100人超が騒乱状態になり、県警はデモ隊のひとりで、大学生の男を公務執行妨害の疑いで逮捕した。

 

「おもなデモ参加者は、過激派『革命的共産主義者同盟全国委員会(中核派)』のメンバーです。G7サミットを『核戦争の元凶』とし、『サミット粉砕』を主張するデモ活動を強めていました。18日にも公務執行妨害で、別のひとりが逮捕されています(後に不起訴処分)」(社会部記者)

 

 この衝突で機動隊員による制圧を受けた、沖縄大学自治会の赤嶺知晃氏(30)が、21日の警察による「デモ排除」の様子を語る。

 

「そもそもこの日のデモは、事前に広島県公安委員会の許可を得た活動です。広島本通商店街周辺を回るコースを行進していましたが、機動隊員はスタート地点からデモ隊を挟み込むように移動。この間、機動隊員は我々の抗議声明をかき消すように『早く進め』『膨らむな』と大声で指図してきました。さらに『ふらついてるぞ』『もっと声出せよ』といった、挑発的な言葉も投げかけてきました」

 

 機動隊員は肩をぶつけるように両側からデモ隊を押し込み、最後には、掲げていた横断幕が2つに折れるほど圧縮されたという。

 

「私はプラカードを持って、先頭付近を歩いていました。すると突然、襟首をつかまれ、後方に引き倒されたんです。瞬時に後方を見ると、隊列の中間あたりに機動隊員がなだれ込み、デモ隊員がビルのシャッターに抑え込まれていました。私はそのまま、数人の機動隊員によって腹ばいにされて組み敷かれ、手を強く踏まれました。そこに、幹部と思われる機動隊員が私の顔を確認に来て、『こいつは制圧でいい』と言い、ほかの隊員には『こいつは逮捕だ』と指示を飛ばしていました。実際、その参加者はそのまま逮捕されましたから、機動隊は、最初から逮捕者を決めていたのではないでしょうか」(同前)

 

 しかしデモ隊は、制圧当時の様子をほとんど動画などに記録できなかったという。

 

「撮影機材を持っていた参加者は、真っ先に拘束されてしまいました。制圧の模様を残されたくなかったのでしょう。現場に到着した広島県警の警察官が、私を押さえつけていた機動隊員を『とにかくおまえら、落ち着け』と制止していたほどでしたから」(同前)

 

 現場では、居合わせた地元住民からの「大丈夫、撮っていますから」という声も多く聞こえたという。実際、制圧の様子がSNSで拡散されると《単にデモ行進してただけ。死人が出なくてよかった…》《これは警察のやり過ぎで大問題》などのコメントが相次いだ。

 

 機動隊のこうした制圧は、妥当なものだったのか。広島県警に見解を尋ねると、「現在捜査中の案件につき、回答を差し控える」との回答だった。

 

 弁護士の落合洋司氏は、今回の様子をこう語る。

 

「警察権力の行使は必要最小限でなくてはならないのは、当然です。当日の動画や写真を見る限り、これが妥当だったのかは疑問です。やはり目撃した一般市民の信頼を損なう行動があったなら、間違いだったのではないでしょうか」

 

 この過剰な実力行使が、一般市民に向けられる日が来ないといいが……。

( 週刊FLASH 2023年6月20日号 )

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