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マイナカード「6000人分を5人で手入力」報道に衝撃集まる「どこがデジタル?」「職員が気の毒」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.06.16 17:35 最終更新日:2023.06.16 17:35
6月16日、朝日新聞デジタルが「6千人の個人情報、5人でパソコンに手入力…マイナカード混乱の現場」と題して報じた記事が反響を呼んでいる。
《マイナカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」に、別人の情報が誤登録されていたある現場では、約5900人分のデータを職員5人が手作業で入力していた。この例は「氷山の一角」の可能性がある》
として、5月19日、兵庫県職員とその家族に健康保険証を発行している「地方職員共済組合兵庫県支部」が、組合員の家族1人分の個人情報が漏洩していたと発表した記者会見について触れている。
【関連記事:岸田首相「保険証は予定どおり廃止」「母子手帳とも一体化」で拡がる拒否感「マイナカード、こんなに混乱してるのに!」】
マイナ保険証の誤登録については、厚労省が、2021年10月~2022年11月に7312件あったと発表。6月13日には加藤勝信厚労相が、2022年12月~2023年5月22日分について、新たに誤登録が60件見つかったと公表。これまでに確認された誤登録は計7372件(このうち第三者に閲覧されたのは計10件)となった。
5月19日の「地方職員共済組合兵庫県支部」の記者会見については、6月3日に、「神戸新聞NEXT」が詳細に報じている。
報道によると、法改正で2022年10月から非正規職員も共済に加入できるようになったため、県支部では同年9月から、新たに対象となった職員とその扶養家族およそ5900人分の登録を開始。担当者5人で作業にあたった。
紙で提出された「組合員資格取得届」を基に必要項目を入力していくのだが、その際、マイナ保険証の取得申請に対応できるよう、あらかじめマイナンバーとそれぞれの個人情報をひも付けておく必要があった。だが、ここで、担当者が登録対象者の生年月日を打ち間違え、同姓同名の別人情報がそのまま登録されてしまった。
当然、住所は異なっていたのだが、書類上の住所と実際の住所が異なるケースは少なくないため、素通りされたという。
6月12日には、「TBS NEWS DIG」で、同支部の事務長がこう答えている。
「1個1個それでいいのかということを目視・本人への確認・既存資料への照合などをおこなって、一つ一つ潰していく。勤務時間も午後10時11時というか、夜中に近いところまでの連続的な作業になる。業務の負担度としては大変、大きいものがあった」として、ミスをゼロにするのは難しいとしている。
マイナカードと健康保険証のひもづけのためにおこなわれている膨大な手作業。タレントのラサール石井は6月16日、自身のTwitterにこう書きこんだ。
《ほらほら、これだよ。どこがデジタルなんだよ。ここまでして、今まで何の問題もなかった紙の保険証廃止する意味ある?》
SNSでは、約6000人分の情報を5人が手で入力していることに、驚くとともに批判的な声が多くあがっている。
《究極のアナログ。今起こっているマイナ保険証のトラブルは氷山の一角ではないか。現場からも不安の声が起こっているマイナ保険証事業は直ちにやめるべきだ。このままでは消えた年金問題の二の舞になる》
《ふぁっ!? 6千人分を5人で手入力!!? ミス起こるに決まってるやん。てかデジタル化推進してんのに手入力て何 地方職員の方々が気の毒過ぎる…》
《かわいそうに…。これは彼らが悪いんじゃなくて、システムの中核たるDB(編集部注:データベースのこと)構築に時間と金をかけず、枝葉末節でしかない物理カードの普及に人員と2兆円使うと判断した人が悪いんです》
《どう考えても進め方とスケジュールに無理がある 現場に混乱と負担を押し付けているのは誰か 頭を下げるべきなのは大臣と首相だと思う そしていろいろ立ち止まってほしい》
だが、岸田文雄首相、河野太郎デジタル相ともに、2024年秋に現行の健康保険証を廃止する方針は変えていない。2024年秋までに、どれほどの現場職員が疲弊することになるのだろうか。
( SmartFLASH )