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裏社会でささやかれる「マイナカードは “宝の山”」8万円で顔写真を変更、偽造カードで病院に

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.06.30 06:00 最終更新日:2023.06.30 06:00

裏社会でささやかれる「マイナカードは “宝の山”」8万円で顔写真を変更、偽造カードで病院に

「マイナンバー情報総点検本部」には河野太郎デジタル担当相がトップに就任した(写真・長谷川新)

 

「頻発するマイナンバーカードトラブルは、『マイナカードを作ったら2万ポイントを付与する』と、政府が国民を煽ったせいですよ。そのために、登録時のダブルチェックを外し、誤登録が発生した。いわば “人災” なんです」

 

 そう憤るのは、日本共産党の宮本岳志代議士だ。

 

 誤登録やひも付けミス、さらに別人の住民票が交付されるなど、次々とトラブルが明らかになっているマイナンバーカード。岸田文雄首相は、関連する大臣を緊急招集し対策本部を設置、今秋までの総点検を指示したが、トラブル収束の目途は立っていない。

 

 

 こうした政府のトラブルが、犯罪の温床になるのは世の常――。犯罪者たちも抜け穴がないか、目を光らせている。

 

 ITジャーナリスト・三上洋氏は、マイナンバーカードのセキュリティ自体は「日本で最も高い安全性」があるとしたうえで、制度上の “落とし穴” をこう指摘する。

 

「マイナカードは、さまざまなパスワードをセットで盗まれた場合には万事休す、というシステムになっています。そのセットがあれば、勝手に銀行口座を開設できるし、住民票をはじめとする個人情報は読み取り放題です」

 

 日本ハッカー協会の理事で、IT系上場企業のCTOを歴任した石川英治氏も、同様の危惧を口にする。

 

「高齢者に『マイナカードにトラブルがあり、交換します』と持ち掛け、暗証番号とカードを詐取する事例が発生しているといいます。カードと暗証番号があれば、自由に住民票や印鑑証明が取れてしまう。それをもとに、勝手に不動産が売られるなんてことが、今後絶対に発生しますよ」

 

 一方、「マイナカードの偽造なんて簡単ですよ」と豪語するのは、カード偽造などを専門とし、裏社会にも通じる都内在住の男性(40代)だ。

 

「8万円あれば、ある “業者” に頼んで、マイナカードの顔写真を変えられますよ。ICチップに入ったデータはコピーできなくても、見た目上、偽造は可能です」

 

 にわかには信じがたい話だが、偽造カードの使い道にも目星がついているという。

 

マイナ保険証としての利用であれば、当然、街の小さな病院などにも提出します。そうした場所で、カードリーダーを導入しているところは、まだほとんどない。目視で確認したくらいでは、カードが本物かなんて判別がつきませんよ。見た目上は、マイナカードを使って他人に成りすますことができます」(同前)

 

 しかし、問題はそれだけではない。これまで特殊詐欺などに手を染めてきた人物にとって、マイナンバーカードは「宝の山」だというのだ。

 

「たとえば、運転免許証にも12桁の番号がありますが、その番号は免許の交付を受けた都道府県などと対応しています。同様に、マイナカードの12桁の番号も、出身地や生年月日などの規則性があるはずだ、と私はにらんでいます。

 

 マイナンバーは、住民基本台帳をもとに作られていますが、それをどのようにいじって作成されているのか、近い将来わかるはずです。番号の規則性を解析すれば、即その人の情報が解読できてしまうかもしれません」(同前)

 

 加えて「宝の山」だという理由は、マイナンバーカードには、29項目もの個人情報がひも付けられていることだ。健康保険証だけではなく、雇用保険、銀行口座などもひとつのカードから知ることができる。

 

「裏社会では、強盗や詐欺の際に用いられる『闇名簿』があるんです。現在取引されている名簿は、住所や電話番号などが載った詳細なものでも1件100~200円です。でも、マイナカードのデータを入手できたら、1人200~300円以上で取引できますよ」(同前)

 

 男性は、データの入手ルートとして、病院のデータの掘り起こしを狙っているという。

 

「たとえば、病院で使用されていたハードディスクなどを入手し、削除されたデータを復元する。すると、マイナンバーとともに、それにひも付く情報も手に入る可能性があります。

 

 そこから納税額がわかれば、年収がわかる。医療関係の情報が多いと、それをまとめて買ってくれる個人や企業はいくらでもいます。

 

 また、その人の所得や持病などがわかりますから、その人の “ニーズ” に合わせて詐欺ができる。精度がぐんと高まるんです」(同前)

 

 あなたのマイナンバーを狙う悪党は、すぐそこにいる――。

( 週刊FLASH 2023年7月11日号 )

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