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ビッグモーターに「保険金水増し請求」発覚、CM放送続ける一方で不正「5年前から全体の4割」に募る不信感
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.07.16 15:47 最終更新日:2023.07.16 15:51
「ゴルフボールを靴下に入れて車体を叩く」「ドライバーで(車体に)傷つける」
いたずらではない。「車を売るならビッグモーター」のCMで知られる、中古車販売大手「ビッグモーター」の従業員が、損害保険会社に保険金を水増し請求するため、客から修理を依頼された車に、故意におこなった信じられない行為の数々である。
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「2022年3月に、損害保険協会の不正通報窓口に同社の従業員から告発があり、損保協会はビッグモーターに外部弁護士をまじえた第三者委員会による調査を申し入れました。
調査報告書によると、保険金不正請求は5年以上前から全国的におこなわれていた可能性が高く、およそ4割で不正請求の疑いが見つかったようです」(週刊誌記者)
調査報告書によると、2018年ごろから板金や塗装部門の元本部長が、修理の工賃や部品から得る粗利の合計金額を上げるよう、各工場長に要求。工場長や複数の従業員がそれに従い、故意に車を傷つけて、修理代を水増し請求する不正行為に加担していたという。元本部長は行為を認めており、理由は「営業ノルマ」だったという。
「ビッグモーターはノルマが厳しいことで知られています。以前、一度の問い合わせで複数社から下取り査定額が届くネットのシステムを使ったら、ほとんどの会社は、自宅にもっとも近い支店から連絡がきましたが、ビッグモーターは複数の支店からほぼ同時に直接、電話が来ました。しかも、横の連携が取れていないのか、『〇〇支店から電話がきましたよ』と言うと『そうなんですか? そこではなくて、うちでぜひ。いまからすぐにうかがえます』と、圧がすごかったんです。『ノルマ、大変なんですか?』と聞いたら『そうなんです。だからぜひ』と言っていました」(査定を利用したことがあるユーザー)
しかし、今回、発覚したのは行きすぎた営業などではなく、「器物損壊」や「詐欺罪」に問われてもおかしくない重大案件だ。同社は、2023年1月、ホームページ上に「特別調査委員会設置のお知らせ」として「関係者の皆さまに多大なるご不安・ご心配をお掛けしますことを心よりお詫び申し上げます」と発表していたが、その後もテレビCMを放送し続けてきた。そんなコンプライアンスも問題視されている。
ネット上でも
《この会社は急成長したが故に、不正が横行したのではないか》
《修理台数の4割ということなので、組織ぐるみは間違いないでしょう》
《日本一の中古車販売とか言ってガンガン宣伝してましたが、その宣伝中もずっと不正と粉飾にまみれていたわけですよね》
《ビッグモーターがやっていることは間違いなく不正。これにより、みんなの自動車保険が高くなっているかもしれない》
など、同社に不信感を持つ書き込みが多い。一方で
《車関連の仕事に就いてる人って、少なからず車が好きな人だと思うんです。中には車に対して故意にキズ付けたりする行為が耐えられなかった人も居たのだろうと思います》
と、従業員に同情する声もあった。
損保各社は「不正請求分は返還を求める」としているが、その金額はまだ算出されていないという。顧客のためにも、真相の解明が待たれる。
( SmartFLASH )