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永田町がネタにする岸田首相「宏池会の“因縁”」本流の“先輩”宮澤喜一氏、麻生太郎氏はともに下野の経験が

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.07.21 20:50 最終更新日:2023.07.21 20:50

永田町がネタにする岸田首相「宏池会の“因縁”」本流の“先輩”宮澤喜一氏、麻生太郎氏はともに下野の経験が

(写真・時事通信)

 

 永田町ではいま、ある“因縁”が話題になっている。ベテラン政治担当記者はこう語る。

 

「戦後、自民党が下野したのは、1993年の宮澤喜一内閣と、2009年の麻生太郎内閣の2回だけです。宮澤内閣では、金丸信副総裁(当時)が東京佐川急便事件で逮捕され、竹下派の内部抗争が激化。衆院の選挙制度改革をめぐり、小沢一郎氏や羽田孜氏、渡部恒三氏らが内閣不信任案に賛成票を投じたことで解散になり、自民党が総選挙で過半数が取れず、非自民・非共産の細川護熙(もりひろ)を首班とする連立政権が誕生しました。

 

 麻生氏は歯に衣着せぬ発言で人気がありましたが、リーマンショックなどもあり、解散の機会を逸して支持率が下落。ついには20%を割り込み、党内から退陣要求の声が上がりました。直後の選挙では現職閣僚も落選するなど、自民党は歴史的大敗を喫して、民主党政権が誕生しました。

 

 

 宮澤さんは宏池会会長を務め、麻生さんは宏池会を創立した池田勇人氏の師である、吉田茂氏の孫です。現在、麻生さんは『志公会』という別グループの代表ですが、当初は宏池会所属でした。つまり宏池会の本流のふたりですが、前述のように自民党が下野したときの首相でもあります。

 

 そして、宏池会の現会長が、支持率低下に頭を悩ます岸田文雄現首相です。いいことも悪いことも“こじつけ”が好きな国会議員ですから、おもしろおかしくネタにしているのです」

 

 この“因縁”について、政治アナリストの伊藤惇夫氏は冷静に分析する。

 

「宮澤内閣、麻生内閣のときとは状況が違います。自民党に代わる、国民が期待する政党というものがありませんからね。しかも立憲民主党と維新の会がつぶし合いをしています。このまま選挙になれば、自民党が漁夫の利的に勝つことが十分、考えられます」

 

 ただし岸田内閣の支持率については「G7広島サミットで支持率が上がったことが、不思議なほどです。あのときはウクライナのゼレンスキー大統領の参加で注目され、ニュースでも岸田首相がつねに真ん中にいたため、(支持率が)上がっただけです。実力を反映した数字ではなかったんです」と厳しい。

 

 さすがに岸田首相も危機感を持ったようで、7月19日に茂木敏充幹事長、萩生田光一政調会長、7月20日には菅義偉前首相、遠藤利明総務会長ら党幹部と相次いで会談、党内基盤の引き締めに躍起になっているといわれている。

 

「2度あることは3度ある」か「3度めの正直」か。しかしそこに、国民へ向けられる視線は感じない。

( SmartFLASH )

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