7月21日、河野太郎デジタル大臣は、支援者向けに毎月メール配信しているニュースレターのなかで、マイナンバーカードと健康保険証を一体化させた「マイナ保険証」でトラブルが続発していることをめぐり、「皆様にはご心配のことと存じます。大変申し訳ございません」と謝罪した。
マイナ保険証に関する記述は3700文字を超え、マイナ保険証の意義に加え、デジタル化が日本の医療や介護にもたらす利点なども説明。ひも付けの際に誤登録が起きる要因や、誤登録を防ぐ手順などをつづった。日刊スポーツが報じた。
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マイナカードをめぐるトラブルが相次いだことを受け、政府は6月に省庁横断の総点検本部を立ち上げ、8月上旬に中間報告をするとしている。
だが、総点検本部のトップを務める河野大臣は、7月22日までの日程で、北欧や中東の6カ国を歴訪中。支援者向けのニュースレターでのみ謝罪したことに、SNSでは批判が殺到した。
《支援者だけ?》
《マイナ保険証で迷惑を被っているのは『国民全員』だし、勿論、医療関係者や役所職員も。なぜ、地元後援会や関係者など『支援者だけ』に謝罪するのか?》
《肝心な時、海外に逃亡していた河野太郎くん 今更、悪あがきするな!》
河野大臣が外遊中の7月14日には、埼玉県所沢市で、80代女性のマイナンバーの紐づけを誤り、計5万7516円を別人の口座に振り込むミスがあったことが発表された。厚生労働省は、自治体に対してあらためて点検を求める通知を出した。
また、19日には、紐づけミスで個人情報が漏洩した一連の問題をめぐり、個人情報保護委員会がデジタル庁への立ち入り検査を始めている。
21日、立憲民主党の泉健太代表は河野大臣に対し、「デジタル庁そのものが大きく揺らいでいる。陣頭指揮を執るのが本来の姿だ」と批判。7月26日に予定されているマイナ問題に関する参院での閉会中審査で、河野大臣の対応をただす考えを示した。
FNN・産経新聞が合同で実施した7月の世論調査で、マイナカードの相次ぐトラブルが、政府の総点検で「解決しない」と思う人は78.3%。政府が2024年秋に予定する現行の健康保険証の廃止について、「延期」や「撤回」を求める人はあわせて76.9%にのぼった。
26日に野党からの集中砲火を浴びそうな河野大臣。支援者だけでなく、国民が納得する説明をしてほしいものだ。
( SmartFLASH )