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トップ不在・集団体制続く安倍派の「座長」に「比例復活」塩谷立氏が名乗り…透けて見える「苦肉の選択」

社会・政治 投稿日:2023.08.04 17:30FLASH編集部

トップ不在・集団体制続く安倍派の「座長」に「比例復活」塩谷立氏が名乗り…透けて見える「苦肉の選択」

自民党安倍派の会合で発言する塩谷立会長代理(写真・時事通信)

 

 安倍晋三元首相の死去により、会長不在が続く自民党最大派閥の安倍派(清和政策研究会)。

 

 安倍元首相の一周忌法要を目前にした6月下旬、都内の料理店に世耕弘成参院幹事長、松野博一官房長官、高木毅国会対策委員長、西村康稔経済産業相、萩生田光一政調会長の“5人衆”が集まり、当面は集団指導体制でいくことが決まっていたはずだが、8月3日付の毎日新聞が「塩谷立会長代理は3日、萩生田光一政調会長ら派閥の中枢メンバー5人と東京都内で会合を開き、塩谷氏と下村博文会長代理が暫定的に派閥運営を担う現在の体制を見直し、自身が派閥を主導していく意向を伝えた」と報じ、永田町を驚かせた。

 

 

「毎日新聞は『現在の体制では派閥内の意思疎通が図りにくいため、体制強化に向けて自身が派閥を主導する考えを示した』とも伝えています。たしかに派閥内には『トップを決めなければ、閣僚人事や党内人事での要望が通りにくくなる』と、集団指導体制を心配する声が上がっていました」(政治担当記者)

 

 しかしなぜ、いま塩谷氏が手をあげたのか。

 

「塩谷氏の印象ですか? ひとことで言えば地味な存在ですが、文部科学大臣や自民党総務会長や選挙対策委員長など、要職を務めています。初当選は1990年の衆院選で、その後、1996年、2000年衆院選で落選。2009年と2021年は比例復活当選ですから、当選回数は10回を重ねているものの、選挙に強いとはいえません。今回、なぜ塩谷氏は『座長』という立場で、派閥のトップになると決めたのか不思議です。2022年秋にも、派内の一部で『塩谷会長案』が浮上しました。しかし若手や中堅議員から『派閥のトップが比例復活議員でいいのか』などの異論が噴出して、立ち消えになった経緯がありました」(自民党関係者)

 

 前出の政治担当記者は「それだけ安倍派は、分裂の危機に直面している」と解説する。

 

「最大派閥のリーダーは、すなわち総理大臣候補ですから、誰もがリーダーの椅子を狙っているでしょう。しかし、萩生田さんは旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係でゴタゴタがあり、世耕さんは解散がない参院議員だから『首相になって解散権を行使するのはいかがか』という声があります。西村さんは人望がいまひとつ。松野さんは地味だし、高木さんは当選回数が多いだけ。頭ひとつ抜け出ている方がいないんです。誰がトップになっても、安倍派は一枚岩になれない。しかしトップがいないと、党内の影響力は低下するばかり。『塩谷座長』は苦肉の選択でしょう」

 

 ネットニュースのコメントでも《塩谷氏ってどんな政治家なのか?全く存在感も無く、わかりません》という声がある一方で《地元では父親の地盤を引き継ぐ、典型的なおぼっちゃまの2代目。他人を批判したりしないから敵も少ない》《塩谷立氏なら、誰の目にもいわゆる「雇われマダム」であることが明白で、当面分裂は避けられるだろう》と、派内事情を優先した結果との見方が多かった。8月17日にも派閥総会が開かれ、議論されるようだが、はたして……。

( SmartFLASH )

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