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「次の総理は?」世論調査で石破茂氏トップも「安倍氏との確執」と「酒席での政策論」で広がらぬ自民党内支持
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.08.07 20:15 最終更新日:2023.08.07 20:15
8月5、6日に実施したJNNの世論調査で、「岸田文雄総理にいつまで総理大臣を続けて欲しいか」という質問に「できるだけ長く」が14%、「2024年9月の自民党総裁任期まで」が57%、「すぐに交代して欲しい」が23%という結果だった。
「国民の80%が、岸田首相の交代を望んでいることがわかります。それに伴い『岸田文雄総理大臣の次の総理にふさわしい自民党議員は誰か』も聞いています。結果は、僅差ながら石破茂元幹事長が16%でトップ。続いて河野太郎デジタル担当大臣が16%、小泉進次郎元環境大臣が14%、高市早苗経済安全保障担当大臣が6%。岸田総理は5%、茂木敏充幹事長が2%、野田聖子前少子化対策担当大臣が2%、林芳正外務大臣が2%でした」(政治担当記者)
岸田首相の支持率が低空飛行のなか、これまで総裁選に4回出馬してきた石破氏には好機、追い風になるのだろうか。
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「石破氏がもっとも総理大臣の椅子に近づいたのは、2012年でした。野党だった自民党が政権に返り咲くチャンスもあり、石破氏のほか安倍晋三氏、石原伸晃氏、町村信孝氏、林芳正氏などが自民党総裁選に立候補しました。地方の圧倒的な支持を集めた石破氏が、1回めの投票では1位になりましたが、過半数に届かず決選投票に。結果は、議員票が雪崩を打ち安倍氏が当選。石破氏の党内人気の低さが如実に出た結果でした」(政治ジャーナリスト)
なぜ石破氏は党内の支持が広がらないのか。
「もともとは、田中角栄元首相の“書生”をするなど、自民党のど真ん中を歩んでいました。しかし1993年に出された宮沢喜一内閣不信任決議に賛成票を投じ、細川護熙連立政権の政治改革関連4法案にも賛成。役職停止処分を受けて、自民党を離党しました。
その後は新生党、新進党に所属しましたが、1997年に自民党に復党。この“出戻り”が、不人気の原因ではないかという議員もいます。総裁選出馬のための推薦人(党所属の国会議員)20人を集めるのも四苦八苦ですから」(自民党関係者)
しかし、政治アナリストの伊藤惇夫氏は「それを言ったら、二階俊博さんも出戻りです。しかし派閥のトップになり幹事長まで務めました。出戻りが理由ではありません」という。
「石破さんが党内で支持が広がらないのは、いまや自民党議員の6割に達するほどになった、安倍さんの元で選挙を勝った議員たちが、『石破さんは、安倍さんにたてついてきた』と思っているからです」
別の議員秘書は「選挙はめっぽう強いし、政策も抜きん出ています。復党してからも花形ポストに就いているので『やっかみ』もあるのではないでしょうか」と推測する。
「石破氏本人も、党内人気がないことはよくわかっている」と、石破氏に近い議員。そして「人づき合いがヘタなのは認めます」とも言う。ある議員秘書は「一緒に飲みに行きたいタイプではないです」と苦笑する。
「石破さんは無類の酒好きで知られています。『こんな話、自慢にも何にもなりませんけど』と言いながら、よく、防衛庁長官時代に中国を訪問。会食で中国の国防大臣らと酒豪対決をしたことを話すほどです。
それを聞くと『石破さんと飲むと楽しそうだな』と思うでしょ? だけど酒を飲みながら、すぐ政策の話になるんです。これが石破さんの政策授業みたいになって、若手には評判が悪くて。このときばかりは、好きな『キャンディーズ』の話を振っても乗ってきません」
伊藤氏も「子分を作るタイプではないし、けっして面倒見がいいタイプでもありませんが、もし自民党が政権から落ちてしまうような事態になれば、『石破』という“劇薬”をトップにするかもしれません」という。「乱世の宰相」ということか。
( SmartFLASH )