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岸田首相、福島原発処理水海洋放出で「漁業者との信頼深まっている」発言に「信頼じゃなくて亀裂」深まる疑義

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.08.08 16:15 最終更新日:2023.08.08 16:15

岸田首相、福島原発処理水海洋放出で「漁業者との信頼深まっている」発言に「信頼じゃなくて亀裂」深まる疑義

 

 2024年春にもタンクが満杯になると予想される、東京電力福島第一原発の「処理水」。7月4日にはIAEA(国際原子力機関)が「国際的な安全基準に合致している」「中立的で科学的な評価に自信を持っている」と報告書にまとめ、放出に向けた環境整備は着々と進んでいるように見える。

 

「しかし、地元の漁業関係者との隔たりは、まだまだあります。西村康稔経済産業大臣や渡辺博道復興大臣が福島入りして、県漁連会長らと断続的に面会をしていますが、風評被害を心配する声は収まりません。中国は日本からの輸入水産物のすべてを対象に放射性物質検査を始め、生ものは税関で留め置かれ、腐っている状態です」(政治担当記者)

 

 

 この状況のなか、政府は8月下旬にも、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出に踏み切る、と時事通信が報じた。「『政治決断』(首相官邸幹部)が必要だと判断した」というが、政府の態度は「見切り発車」のようにも見える。

 

「岸田首相は8月7日、記者団に放出の時期を『従来、今年(2023年)春から夏ごろを見込むと申し上げてきた』と述べました。同時に『現時点で具体的な時期やプロセスのスケジュールは、なんら決まっていない』とも述べ、フライング的な発言をして、説得が暗礁に乗り上げないように慎重な発言をしてきたように思えます。

 

 しかし、漁業関係者との対話を重ねて自信を深めてきたようで『信頼関係は少しずつ深まっていると認識している』と、楽観的な認識も示しました」(政治ジャーナリスト)

 

 岸田首相は「信頼関係が深まった」根拠には言及しなかったが、この「フライング的な発言」に、ネットのニュースサイトには《「漁業者との関係は少しずつ深まっている」と言うが、ならば何故8月下旬の放出日程が決定しているのか?》《また個人的観測か・・・。信頼じゃなくて亀裂な感じがある》《そう思っているのは、岸田本人だけ》など、溝の深さをうかがわせるコメントが目立っていた。

 

「岸田首相は、17日から日米韓首脳会談のためアメリカを訪問します。韓国のユン・ソンニョル大統領と個別会談をして、処理水の海への放出について理解を得たい考えです。

 

 帰国後に関係閣僚会議を開き、放出の開始時期を表明すると思われますが、底引き網漁が始まる前の8月下旬が濃厚です。また10月13日に宮城、11月2日に福島で県議選の告示があります。その前に……という思いが政府にあるのはたしかです」(自民党関係者)

 

 フライング発言で放出を既定路線化せず、丁寧な説明をお願いしたい。

( SmartFLASH )

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