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支持率低迷に悩む岸田首相、内閣改造とガソリン補助金で起死回生ねらうも…“一発逆転” にたちはだかる壁

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.08.16 15:26 最終更新日:2023.08.16 15:45

支持率低迷に悩む岸田首相、内閣改造とガソリン補助金で起死回生ねらうも…“一発逆転” にたちはだかる壁

写真:つのだよしお/アフロ

 

 主要報道機関が8月上旬におこなった世論調査で、岸田内閣の支持率下落に歯止めがかかっていないことが明らかになった。

 

・時事通信26.6%(前月比4.2ポイント減)
NHK・33%(前月比5ポイント減)
・JNN・37.1%(前月比3.6ポイント減)

 

 といった具合だ。政治担当記者がこう指摘する。

 

「昨年、旧統一教会自民党議員の関係が報道され、年が明けると首相公邸での親族忘年会が発覚しました。この頃から支持率は顕著に下がり始め、G7広島サミットでわずかに上がりましたが、その後のマイナンバーカードの相次ぐトラブル、自民党女性局のフランス視察問題で急速に下落しました。

 

 

 内閣支持率だけでなく、自民党支持率も下がっているので、党内の危機感はハンパではありません。

 

 消費税を導入した竹下内閣の支持率がひと桁になったのは例外中の例外として、通常は20%を切る数字が出ると予断を許さなくなり、一気に退陣モードになります」

 

「支持率をアップさせる方策が見当たらない」(自民党関係者)というのが衆目の一致するところだが、首相に近い自民党議員は「党役員人事と内閣改造、そしてガソリン補助金継続が最後のチャンス」と意気込む。

 

「これまでの経験則として、内閣改造をすると支持率はアップします。下がることはありません。そのために国民によく知られている女性議員を多く登用して、刷新した印象を与えることが大切です」

 

 とはいえ、この議員も表情は冴えない。

 

「ここでも自民党女性局のフランス視察問題が引っかかっているんです。当初、岸田首相は、自民党組織本部長をしている小渕優子衆院議員と松川るい参院議員の入閣を考えていたようです。

 

 しかし、小渕議員が松川議員を注意したところ、過去に政治資金規正法違反で東京地検特捜部に家宅捜索された際、会計書類などを保存したパソコンのハードディスクがドリルで壊されていたことが蒸し返され、『ドリル優子』という言葉がネットにあふれました。

 

 松川議員も、テレビ露出で知名度もあったので、『副大臣、もしくは大臣もあり得る』と噂されていました。気をよくした本人は衆院への鞍替え出馬も画策、『東京選挙区で出たい』と党幹部にお願いしたという話もありました。さすがに、それを聞いた東京都連幹部が『バカを言うな』と言ったらしいですが……いずれにせよ、今回のことで入閣もアウトでしょう。

 

 昨年の内閣改造後は、4閣僚が辞任して支持率に影響しましたから、同じ轍を踏むわけにはいきません。しかし、どうにも目玉がいなくて……」

 

 そして9月末に終わる「ガソリン補助金」の延長。

 

「このままだと10月には1リットル200円も視野に入ってきます。日々の国民生活で実感が大きい項目ですから、なにかしらの手を打たなければならないことは政府内でも共有され、与党内からも同様の声があがっています。延長すれば風向きも変わると思います。

 

 しかし、経産省などは『補助金は麻薬だ。今は円安で原油の輸入価格が高くなっているだけだ』と反対。経済界からも『安易な補助金は避けるべき』『原発などエネルギー政策全般を考えてほしい』と慎重な声があるのです。

 

 この反応は、官邸にとって予想外でした。おそらく、原油価格が落ちついても、国民の怒りは沸騰したままでしょう」(政治担当記者)

 

 さらに、年末に向け「異次元の少子化対策」の財源を決めなければならず、防衛費増税問題もある。これらは世論の強い反発も予想され、後手後手になると支持率が危険水域から「限界水域」になるかもしれない……。

( SmartFLASH )

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