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物価の上昇が止まらない!インフレで年金世代・子育て世代を襲う「貯蓄が目減りする」恐怖
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.08.19 18:15 最終更新日:2023.08.19 18:15
物価高が止まらない。
帝国データバンクによると、2023年は、7月12日までで3万品目を超える飲食料品の値上げがあった。これだけの値上げは過去30年間でも異例で、記録的だった2022 年を大幅に上回っているという。
そのうえ、最終的には、2022年より1万品目も多い3万5000品目の値上げが想定されている。
「日銀の想定を超えた上昇が続いています。最大の要因は食品価格の上昇です。
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総務省が8月18日に発表した7月の消費者物価指数は、変動が大きい生鮮食品を除いた総合指数は前年同月比3.1%の上昇でした。上昇率が3%を上回るのは11カ月連続です。
生鮮食品とエネルギーを除いた指数に至っては、前年同月比4.3%の高い上昇です。これは、石油危機の影響があった1981年6月の4.5%に次ぐ高い上昇率です。
値上げが続くと、当然ですが、消費者の購買意欲は削がれます。実際、総務省の家計調査では、6月の『2人以上の世帯の消費支出』は前年同月比4.2%のマイナスでした」(経済担当記者)
政府内では「物価の上昇に賃金の上昇が追いつき追い越せば、好循環の物価上昇につながる」と言われているが、国民の間には「賃金上昇の先行きは不透明」という思いのほうが強い。
「それだけではありません。このままインフレが続くと、預貯金の実質的な目減りのほうが心配です。
大手銀行の普通預金金利は0.001%です。ネット銀行は系列証券会社の口座と連携すれば高くなるなどの特典はありますが、それでも微々たるものです。要は、銀行に預けていても金額は増えません。
しかし、物価上昇は待ったなしです。インフレになれば、預貯金の価値は確実に目減りします。
たとえば100万円を銀行に預けているとしましょう。年2%の物価上昇で預金利息がつかないと仮定すると、100万円の価値は1年めで2%下落して実質98万になります。これが10年続くと実質82万円になってしまいます。さらに20年続いたら、約67万円に目減りすることになるのです。
もちろんこれは机上の計算ですが、年金暮らしの高齢者は保有資産が現金だけという方が多いので、インフレの影響を受けやすいことがわかると思います。
また、子供の大学進学費用など長期計画で貯めている方も他人事ではありません。この先は授業料や塾代などの値上げも必至ですから、必要なときに足りなくなる心配があります」(同)
インフレにより、生活が苦しくなっていくのは間違いないが、一方で、日本は長いことデフレだったため、預貯金の価値目減りについて、危機感を抱いている人は少ない。
「昔から、『インフレに対応するには、現金ではなくモノで持つこと』と言われます。一般的には、金(ゴールド)のような貴金属や不動産、株式、債券などが考えられますが、庶民にはあまり関係ない話かもしれません。
しかし、極端に言えば、保存ができるのであれば食品でもOKなんです。たとえば賞味期限が3年の缶詰をまとめて買っておけば、インフレの影響は受けにくいというわけです」(同)
まずは、政府の物価対策の舵取りに間違いがないように祈りたい。
( SmartFLASH )