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尾形大作氏「政治はわからない」のに自民党から衆院選出馬の裏 33年前に熱唱していた安倍家“礼讃歌”

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.08.22 06:00 最終更新日:2023.08.22 06:00

尾形大作氏「政治はわからない」のに自民党から衆院選出馬の裏 33年前に熱唱していた安倍家“礼讃歌”

ワーナー・パイオニア(現ワーナーミュージック・ジャパン)よりカセットテープでリリースされた。じつはA面の『男の独り唄』の歌詞にも「晋さん」が登場する

 

 次期衆議院議員選挙の自民党公認候補として、演歌歌手の尾形大作氏(60)が大阪18区から出馬する。

 

「尾形氏は、1986年に発売した『無錫旅情』が130万枚を超える大ヒットとなり、1987年から2年連続で『NHK紅白歌合戦』に出場し、近年は福岡県を中心にローカルタレントとして活動していました。8月2日の記者会見では、尾形さんは『(ずっと)歌の仕事(をしていたの)で、政治のことはほとんどわかりません』と語り、有権者をあ然とさせました」(政治部記者)

 

 

 憲法や経済について問われて「いまは選挙中なので、ごめんなさい」と答えた今井絵理子参院議員(39)、NHKの候補者アンケートの大半の設問に「無回答」だった生稲晃子参院議員(55)に並び、「なぜ政治家に?」と問いたくなる尾形氏。その“裏側”を、ある自民党関係者が明かす。

 

「じつは、尾形さんと自民党との関係は、30年以上前にさかのぼるのです。尾形さんは、安倍晋三元首相の父である、安倍晋太郎元外相を礼賛する歌を歌っていたのです」

 

 その“礼賛歌”とは、1990年にリリースされた『男の独り唄』のB面である『晋さん』だ。壮大なオーケストラとエレキギターが印象的な演歌で、照れ屋だが胸の内に意地を秘めた長州男児の「晋さん」に、平成の世の維新を期待する内容だ。

 

「仕掛け人は、“政界の牛若丸”といわれた山口敏夫元衆院議員でした。『無錫旅情』のほか、島倉千代子さんの『人生いろいろ』などを手掛けた山田廣作氏がプロデュースし、山口氏と親しかったイ・アイ・イ・インターナショナルの高橋治則氏がカネを出したと聞きました」(同前)

 

 仕掛け人の山口敏夫氏に電話で話を聞いた。

 

「『晋さん』かあ。懐かしい。いまは手元にないんだよ。当時、僕は安倍晋太郎先生を首相にしようと応援していて、飲み仲間だった作詞家の星野哲郎さんと、作曲家の猪俣公章さんに銀座のクラブ『姫』で酒を酌みかわしながら、曲作りをお願いしたんだ。星野さんは晋太郎先生と同じ長州(山口県)出身でもあり、お2人とも快く引き受けてくださった」

 

 戦後の演歌界を代表する大作詞家らは、ノーギャラだったはずだと山口氏は語る。

 

「歌ができあがってから、富ヶ谷の晋太郎先生のご自宅にお持ちして、みなさんに聴いてもらった。晋太郎先生は照れくさがりながらも、うれしそうな顔をしていたし、ご自分でもこの歌を歌っていらっしゃった。僕は最初に聴いたとき、森進一や美空ひばりの歌と比べると、ちょっとイマイチだなと思ったけど(笑)、尾形大作が歌っていたことは忘れていたね」

 

 尾形氏が選挙区支部長となった、大阪18区の自民党関係者は言う。

 

「尾形さんは、安倍派の西村康稔経産相が引っ張ってきたという噂を聞きましたが、33年前の歌と今回の選挙区支部長決定と、何か関係があるんでしょうかね」

 

 本誌は自民党本部経由で、尾形氏に『晋さん』と出馬との関連を聞くべく取材申請したが、「新人支部長の取材はすべてお断わりしています」と回答があるのみだった。

 

 安倍晋太郎元外相は、『晋さん』がリリースされた翌1991年に亡くなった。

 

 関係者の間でも忘れ去られていたこの曲が、政治を“わからない”国会議員をさらにひとり、誕生させてしまうのか――。

( 週刊FLASH 2023年9月5日号 )

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