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首相、処理水海洋放出を正式発表 原発視察4日後の「予定調和感」と「数十年責任持って」発言に集まる国民からの不信感

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.08.22 17:30 最終更新日:2023.08.22 18:47

首相、処理水海洋放出を正式発表 原発視察4日後の「予定調和感」と「数十年責任持って」発言に集まる国民からの不信感

8月20日、福島第一原発を視察し、処理水海洋放出について説明を受ける岸田文雄首相(中央)(写真・時事通信)

 

「具体的な放出時期は気象、海象条件に支障がなければ、今月24日を見込む」

 

 8月22日午前10時、政府は首相官邸で関係閣僚会議を開き、岸田文雄首相は東京電力福島第一原発の処理水海洋放出を正式発表した。

 

「これまで政府は、福島県漁連に対して『関係者の理解なしに、いかなる(処理水の)処分もおこなわない』と約束してきました。しかし一方で『国として判断すべき、最終的な段階に至っている』『従来、(放出時期は)ことし春から夏ごろを見込むと申し上げてきた』と、ダブルスタンダードのような発言をしてきました。さらには『底引き網漁が始まる前の8月中に』というプランがあることまでわかり、漁業関係者の気持ちを逆なでしました」(政治担当記者)

 

 

 8月20日には、岸田首相は福島第一原発を訪れ、原発から生じた汚染水の放射性物質を処理する装置や放出設備などを視察したが、ある地元住民は「すべてがスケジュールどおりということなんでしょう。最初からゴールはあって、そのためのセレモニーだったんですよ。漁師がいくら反対しても、(海洋放出は)決まってたことなんです」と肩を落とす。

 

 ネットニュースのコメント欄にも《地元の漁業関係者と合意出来てないのに放出をするのなら、話し合いしてた意味がないんじゃないか)《放出以外の手はないのかもしれないが、少なくとも彼らとの合意は必要だろう》《24日で決まってたんだろ?現地行くとかのパフォーマンスいらんわ》《決めてから汚染水を流すまで早いな 他の事は検討に検討を重ねてロクにしないのに》など、“予定調和”ともとれるタイミングでの発表に、批判する声が多くあがった。

 

 また、岸田首相が「廃炉および処理水の放出を安全に終えることや、処理水の処分に伴う風評への影響や、なりわいの継続に対する不安に対処すべく、たとえ今後数十年の長期にわたろうとも、処分が完了するまで政府として責任を持って取り組んでいく」と表明したことにも「無責任だろ」という声が上がっている。

 

《数十年後、今回取り決めた関係者さん方は政界にいるの? もし居ないとき、要職にも就いてない時には、誰が責任負うの?》

 

《関係者の同意がない場合汚染水を放出しないと言っておきながら放出しようとするやつが責任を持って対応するっていうのが意味分からんよね》

 

 などの声が、ニュース動画のコメント欄にアップされている。

 

 8月21日、官邸で岸田首相と面談した全国漁業協同組合連合会の坂本雅信会長は「約束というのは破られてはいないけれど、しかし果たされてもいない、そういうように思っております」と記者団に述べた。岸田首相には、この言葉が重く響いていると信じたい。

( SmartFLASH )

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