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“爆殺処刑”に不可解な点も…「プリゴジンは生きている!」プーチンへ“血の報復”カムバック計画を専門家が解説
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.08.27 06:00 最終更新日:2023.08.27 06:00
「彼は才能ある人物であり、才能あるビジネスマンだった」
8月24日、“腹心の死”に哀悼の意を示したのは、プーチン大統領だ。
23日、エフゲニー・プリゴジンを乗せたプライベートジェットが、モスクワの北西で墜落した。
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「プリゴジンといえば、レストランやケータリング事業で頭角を現わし、プーチンの側近として仕えてきました。ロシアのウクライナ侵攻開始以後は、傭兵組織『ワグネル・グループ』を率いてバフムトに猛攻を加えるなど活躍しました」(軍事ジャーナリスト)
しかし、ロシア正規軍によるワグネルへの支援が不十分であると主張し、軍との関係が悪化。2023年6月には、突如、モスクワへの進軍を開始するという暴挙に出ていた。拓殖大学海外事情研究所の名越健郎特任教授はこう語る。
「米国のシンクタンク、戦争研究所が分析するとおり、今回の事件は、プーチンによる暗殺である可能性が高そうです。とはいえ、プリゴジンはこの2カ月間、比較的自由に動いていました。つまり、ある時期まではプーチン政権内で、彼を無罪放免にするというコンセンサスがあったと思われます。しかし、ウクライナ侵攻の強硬派であるパトルシェフ安保会議書記やゾロトフ国家親衛隊局長は、裏切者への“懲罰”を主張していました。今回の暗殺が、彼らの意向が通った結果だとすれば、彼らの発言力が強くなったという証拠です。ロシアはこの先も、戦争に突っ走るということを意味しますね」
独裁者と取り巻きによる反逆者の公開“爆殺処刑”――。だがこの説に異を唱えるのは、本誌でプリゴジンの反乱を予言していたロシア専門家・中村逸郎筑波大学名誉教授だ。
「もちろん、プーチンが暗殺した可能性もありますよ。しかし、プリゴジンはこれまで飛行機の墜落や爆弾などで『亡くなった』と発表されたことが3回もあるんです。今回の事件には不可解な点も多く、私はまだ生きている可能性が高いと思います」
第一の不審点は、あまりに早すぎる遺体の回収と、準備のよさだ。
「搭乗者名簿は、墜落した直後にワグネル系のメディアが発表しました。そして、墜落から4~5時間後には『追悼集会をやる』と呼びかけているんですよ。まるで、事前に準備をしていたかのような手際のよさです。さらに、墜落したのは夕方ですが、警察官ら調査隊が現地に入ったのは深夜です。そして深夜に、やたらと手際よく“遺体”をどこかに運び出しているんですよね……」(同前)
そもそも、プリゴジンは当該の飛行機には搭乗していなかった可能性がある。
「墜落した飛行機は、ふだんプリゴジンが利用しているプライベートジェットとは別の機体だという証言が出ています。しかも当日、この飛行機は別のもう1機と一緒に飛び立っていました。もう1機は、前を飛ぶ飛行機が墜落した後、モスクワ郊外に降り立っています。まるで、1機めが堕ちたことを確認するかのような動きです。ワグネル創設者であるウトキンも同乗しており、同じく死亡したといわれていますが、ワグネル幹部が同乗するというリスクを冒すのもおかしいです」(同前)
だが、プリゴジンがこれほど盛大な自作自演をおこなったとして、目的はなんなのか。
「今後、弔い合戦を起こして、プーチンへ血の復讐をおこなうつもりでしょう。すでにワグネルは、追悼集会のために地方の中心都市や州都の『中央公園に集まれ』と呼びかけています。この集会が反プーチン運動に発展し、県庁などの行政施設を市民とともに占拠する――。こういう流れが想像できます。とくに現在のロシアは、9月の統一地方選という“政治の季節”に入っていますから。このまま反プーチン運動を進めさせ、2024年3月の大統領選前に、突如“不死身の男”として公衆の前に現われるつもりかもしれません。国民からは大人気間違いなしでしょう」(同前)
これが事実だとすれば、まさにプリゴジン劇場。現実で血を流す戦争を早く止めてほしいが……。