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ガソリン代、補助金継続で「170円台維持」目指すも一時しのぎの対策に国民失望「補助金よりトリガー条項を」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.08.29 15:33 最終更新日:2023.08.29 15:36
ガソリン価格が天井知らずで高騰するなか、2023年9月末で期限を迎える補助金制度。このままではレギュラーガソリンの全国平均価格が、1リットルあたり200円を突破するのも確実の情勢だったが、政府・与党は補助金制度を継続、2023年12月末まで、レギュラー小売価格を全国平均で、1リットル当たり170円台への抑制を目指すことが明らかになった。
「ガソリン補助金は2022年1月、石油元売り会社を対象に支給を開始しましたが、2023年6月に制度縮小を開始しました。このため、経済産業省の発表では、8月21日時点のレギュラーガソリンの全国平均価格は183円70銭に。補助金がなければ195円で、歴史的な高値になっていました」(経済担当記者)
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補助金延長が決まり、とりあえずリッター180円以下で給油できることは一安心だが、国民からは「相変わらずの一時しのぎ。根本的な解決にはなっていない。来年になれば原油価格は下がっているのか」といった疑問の声が上がる。
「原油価格については、主要産油国であるサウジアラビアが減産の方針を示しており、価格が上がると予想する専門家が増えています。また日銀も、当面、政策転換する見通しは低いですから、円安が続くと見る専門家も多いのです。したがって、1~2年のタームで価格が高止まりする可能性が高いと思います」と、経済評論家の加谷珪一氏は語る。
そうなると、12月前には補助金「再々延長」の議論も現実味を帯びてくる。そのため、自動車ユーザーからは「補助金頼みではなく、ガソリン税減税をすればいいじゃないか」という声が、日に日に高まっている。
「ガソリンは税金の塊といわれます。ガソリン税とは揮発油税と地方揮発油税のことですが、現在は1リットルあたり53.8円が課税されています。このうちの25.1円が“上乗せ分”ですが、これをなくせば、25円も価格が安くなります。
このカギを握るのが『トリガー条項』です。2010年に当時の民主党政権で法制化、連続する3カ月の平均小売価格が1リットル160円を超えたときに適用して、上乗せ分の25.1円を一時的に免除するという内容です。現在は、2011年に発生した東日本大震災の復興財源を確保するための『震災特例法』で、トリガー条項の発動は凍結されていますが、野党からは『復興財源や地方財源、トリガー条項の恩恵を受けない灯油などはほかの予算を組み替えて手当をすればいい。一時的ではなく恒久的に上乗せ分をなくせ』という意見があります」(前出・経済担当記者)
ネットのニュースサイトにも《補助金という一時凌ぎの時間が長すぎます》《ガソリン価格が高騰して、国民が困っているのに補助金だって。結局、補助金の原資は税金だよ》《補助金は価格を抑制して即効性はあるけど、将来的には増税に繋がるでしょう。補助金よりトリガー条項だよ》といった書き込みが目立っていた。
生活に密着するガソリン価格への抜本的な対策こそが、岸田文雄首相のいう「先送りできない課題」だと思うのだが……。
( SmartFLASH )