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林外相、水産物の輸入停止で「中国WTO提訴」を検討…外務省はSNSで「最後の一滴の放出まで責務を果たす」壮絶決意
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.08.30 19:30 最終更新日:2023.08.30 19:30
福島第1原発の処理水の海洋放出をめぐり、中国側が日本産水産物の全面輸入停止をしている。中国の強硬姿勢に対し、林芳正外相は8月29日の記者会見で、世界貿易機関(WTO)への提訴を示唆している。
「林外相は、中国側の措置について『まったく受け入れることはできない』と会見で強調しています。提訴の可能性について問われると、『これまでも中国による日本産食品に対する科学的根拠のない輸入規制に対して、WTOの場で問題提起している。引き続きWTOの枠組み等のもとで必要な対応をおこなっていく』としました」(政治担当記者)
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同日、高市早苗経済安全保障相も、過去にオーストラリアが中国に提訴したことに触れ、「対抗措置を検討しておく段階に入っている」と言及している。
「自民党の外交部会は、30日、中国の反応について議論。ロイターによると、一部議員がWTOへの提訴を求めるなか、外務省がメリット・デメリットを説明したといいます。議員の間からは、『最大限有益な方策を考えるべき』との声もあがったそうで、提訴については意見がわかれているようです」(同)
しかし8月24日、外務省は「X」に、こんな文章を投稿している。
《#ALPS処理水 の海洋放出が開始。国際社会の正確な理解と我が国の取組に対する支持を得る努力を継続し、日本産品に対する輸入規制撤廃や風評対策に全力を尽くします。最初の一滴の放出が始まったこの日から、最後の一滴の放出が終わる日まで、その責務を果たしてまいります。》
「#STOP風評被害」というハッシュタグが末尾に添えられたこの投稿を見る限り、外務省も強気の姿勢であることがうかがえる。
出口の見えない現状を、どう打破していくのか――。
( SmartFLASH )