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習近平 “核汚染水デマ” で屈辱の敗北! 香港スシローは「70人待ち」大盛況、中国人民は反日外交を冷めた目で
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.09.05 06:00 最終更新日:2023.09.05 06:00
「(汚染水発言は)事実を述べたに過ぎない」
9月1日、野村哲郎農水相が東京電力福島第1原発の処理水について「汚染水」と発言し謝罪したことを受け、中国外務省の汪文斌(おうぶんひん)報道官は、冒頭のとおり皮肉った。
「中国政府は、これまで頑なに処理水を『核汚染水』と呼び、海への放出は『最悪の環境破壊だ』と攻撃してきました。8月24日に放出が開始されると、日本産水産物の全面禁輸まで実施。
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こうした “反処理水” の運動は中国人民の間でも広がり、福島県内の飲食店や中央省庁などに対し、中国語で抗議をまくしたてる “イタ電” が激増しています」(国際ジャーナリスト)
欧米諸国や韓国、東南アジアの冷静な対応と比べ、異常なほどの中国による “処理水バッシング”。ところが……。
「8月29日の香港の『スシロー旺角店』は、入店待ちの70人の大行列ができていましたよ。お客の多くは、若いカップルです」
と首をかしげるのは、香港在住のジャーナリスト・角脇久志氏だ。そこで本誌は、処理水放出から数日後の日本食店の様子を取材。そこで浮かび上がってきたのは、中国共産党の “デマ” に踊らされない多くの人々の姿だった――。
スシローの常連客だという行列に並ぶ、20代の男性会社員に角脇氏が声をかけると、
「処理水放出のニュースを見ましたが、全然気にしていません。お客さんの数も以前と変わらないですね。日本に旅行した際、“本家スシロー” を食べに行くほど好きなのでこれからも通います」
と、“スシロー愛” を爆発させた。さらに、同じテナント内で営業する「元気寿司」も満員だったという。
「ランチで行きましたが、子連れのお母さんが多かったです。香港では、日本の海産物について福島を含む10都県からの輸入を禁止していますが、その旨が記載されたはり紙がポツリと掲示されているだけですね」(角脇氏)
一方、現地住民が経営する香港市民や中国人向けの高級日本料理店では、影響が出ているという。
「やはりお客さんは減少していますね。ほかの日本料理店では半減したお店もあるそうです。とくに生魚を使う刺身や寿司を注文するお客さんが減っています。仕入れも大変です。ただ、2~3カ月で客足は戻ると思っています」(フロアマネージャー)
中国現地在住の日本人社会の間でも、“楽観論” が大勢を占める。
「日系企業は、過去の経験から “悪目立ち” するのは危険だと判断し、一斉に広告から手を引いています。ただ、11年前に尖閣諸島の国有化をめぐり日中関係が荒れた時期と比べれば、だいぶマシです。当時は日本人に対する攻撃がすごくて、私も被害を受けました。今回はあくまで放出を決めた『日本政府』を批判するという冷静な人が多いです」(コンサルティング会社社長)
世代間の差も大きいようだ。
「私はまったく気にしていませんが、60代の両親は『もうこれからは日本料理を食べないし、日本に旅行もしない』と怒っています。でも、すぐに忘れますよ。実際、両親は東日本大震災後に『日本は放射能に汚染されている』と言っておきながら、数年後には日本に旅行し、喜んで寿司を食べていましたからね(笑)。高齢者は、政府のニュースを信じやすいんです」(上海の語学学校で働く40代女性)
日本への留学経験があるという “知日派” の30代男性は、SNSに放射能から身を守るために塩を買い漁る人々を批判する投稿をしたところ、多くの友人から批判され、削除を迫られたと憤る。
「高い教育を受け、自分の頭で物事を判断することができる人は惑わされませんよ。正直、低収入で生活に不満を持っている人たちばかりが、振り回されている印象です」
角脇氏も、今回の習近平の強硬姿勢をこう分析する。
「恒大集団の破産などで、中国経済の行き詰まりに不安を覚える人が増えています。日本や米国にやたらと攻撃的に噛みつく “戦狼外交” は、いわばこうした人々が抱える不満や鬱憤を晴らすためのガス抜きなんです。
しかし結果的には、一致団結した反日運動に展開していません。習近平の “人心掌握術” を冷めた目で見る人が増えてきているということでしょう」
戦狼外交は経済的にも “自爆” しつつある。上海最大の水産品市場で、卸の店を構える中国人オーナー・許氏はこう嘆く。
「ここ数年続いたゼロコロナ政策の影響で、水産市場はずっと不況が続いていました。今年になり、回復傾向だったのですが、また売り上げが落ちています。汚染水報道の影響で、海産物自体のイメージが悪くなり、中国産の海産物も売れなくなったんです……」
日本の美味しい寿司は、デマより強し。