社会・政治
河野太郎が語る「北朝鮮への締めつけは10億ドル以上」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.09.08 11:00 最終更新日:2017.09.08 11:00
「いつも起床が6時で、ちょうど起きた。そんな感じのときでした」
8月29日の朝を振り返るのは、河野太郎外務相(54)だ。起床とほぼ同時に、秘書官から北朝鮮によるミサイル発射の報告を受けた。午前6時2分には、全国瞬時警報システム(Jアラート)が、北海道、東北など12道県に警告を発し、日本列島に緊張が走っていた。
「あのときは、情報が上がってくるのを議員宿舎で待ってから、首相官邸の危機管理センターに向かいました」
午前6時48分、官邸に入る。午前7時8分から同34分まで、国家安全保障会議(NSC)に出席。8時からは、外務省で記者会見を開き、「北朝鮮が少し怯んだ」と発言した。
「北はずっと、『グアムに撃つ』と言っていました。しかしトランプ大統領が、『すべての選択肢はテーブルの上にある』と言ったことで、方向を変えさせたという見方はあります」
午前10時ころ、閣議のため再び官邸へ。その後の会見でふれた、北朝鮮への圧力強化を、あらためて断言した。
「8月5日の国連安全保障理事会で、石炭、鉄鉱石、海産物などの全面禁輸が決議されています。全部止まれば金額にして10億ドル以上。
これまで、東南アジアやアフリカなどに、北朝鮮と関係の深い国々があり、抜け道となっていた。こうした国に、決議の遵守をきちんとお願いする。
決議の厳格な履行があれば、核やミサイルの開発の収入源を断てるわけです。じわじわと締めていかないといけません」
北朝鮮に近い中国やロシアの反対から、国連は強い意思表示がなかなかできてこなかった。しかし、8月30日朝、安保理は2012年4月以来となる議長声明を全会一致で採択した。
「中国もさすがにこの状況になり、『(北の)石炭は買わない』と言い出している。韓国のサード、日本のイージス・アショア配備検討といった日米韓のミサイル防衛体制の強化は、中国にとって居心地がよくないわけですから」
自衛隊・南スーダン派遣部隊の日報廃棄問題では、「廃棄済み」とされた日報の存在を、防衛省が認めるまで徹底追及した河野外相。身内にすら容赦ない “変人外相” が、北朝鮮に対峙する。
(週刊FLASH 2017年9月19日号)