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小池百合子 ドヤ顔発表した「非課税世帯にコメを現物支給」が大失敗していた! 都職員が「お米にしてください」一点張りの衝撃実態

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.09.16 06:00 最終更新日:2023.09.16 06:00

小池百合子 ドヤ顔発表した「非課税世帯にコメを現物支給」が大失敗していた! 都職員が「お米にしてください」一点張りの衝撃実態

“サプライズ政策”を好む小池知事だが……

 

 小池百合子東京都知事はマスコミの注目を集める“サプライズ政策”を好むが、低所得者世帯への「お米配布」もその1つだ。2022年12月の都議会で、小池知事はこう語っている。

 

「都民生活や、事業活動が苦境に追いやられるなか、活路を開く戦略的な発想が求められています。たとえば、輸入食料品が高騰する今こそ、日本の食卓を支えてきた米をもっと活用するべきです。国産の米や野菜を配布し、生活に困窮する方々を支援します」

 

 

 小池知事が“ドヤ顔”で掲げたこの「東京おこめクーポン事業」は、住民税非課税世帯にお米25キロの配布を予定したが、その後、各世帯の生活状況を勘案するとして、飲料や野菜が加わった。

 

 その結果、9コースから選択できるようになった。内訳は、「お米25キロ」「お米10キロと野菜」「お米5キロと飲料」、または「飲料とパックご飯」「うどん(乾麺)と飲料」などだ。

 

 対象世帯の数は、住民税非課税世帯と、収入が急減して所得見込み額が住民税非課税となる世帯を合わせ、174万世帯となった。ちなみに、東京都の総世帯数は約745万世帯(2023年1月)。じつに2割を超える世帯が「生活に困窮する方々」(前述の小池都知事の発言)となっている。

 

 この事業は、2023年2月末から対象世帯に書面が順次郵送され、9月末まで、食料の配送がおこなわれる予定だった。しかし、当の対象世帯から不満の声が挙がっているのだ。1人暮らしの女性(60代)がこう話す。

 

「第1希望から第3希望まで記入できましたが、私の場合、お米は必要なく、すべて飲料とか乾麺とか、お米が含まれないコースを希望しました。すると、東京都から通知が来て、電話をかけると『希望のコースは在庫がないので、お米にしてください』と言われたのです。

 

 在庫がない理由を聞いても教えてくれないし、必要ないと言っても『お米にしてください』の一点張りでした。無料でいただけるので、文句が言えないことはわかります。でも、お米が届いても困るだけなのです……」

 

 この女性の知人も飲料を優先して希望したが、届いたのは第3希望のお米だったという。在庫がないというのはどういうことなのか。都庁に聞いた。

 

「この事業は、JA全農(全国農業協同組合連合会)と随意契約しています。『おこめクーポン事業』の名前のとおり、お米はじゅうぶんに用意していますが、生産の状況によって、ほかの飲料などは在庫が増減しています。対象世帯が多く、在庫の補充を待たずに、希望の食料がなかった場合は別のものをお願いしています。希望に沿えなかった世帯数は把握しておりませんが、一定数はいます」(福祉保健局)

 

 自治体が事業を発注するときは、入札を基本とし、入札せずに特定の事業者と契約する随意契約は、理由を示すことが義務づけられている。

 

 今回の事業の理由書を読むと、「この事業はJA全農にしかできない」と書かれていた。 174万もの世帯が、それぞれ希望する食料を選択するため、大量の食料を確保し、遅配なく配送できる事業者は「全国農業協同組合連合会を置いて外になく」(理由書より)、という内容だ。

 

 しかし、実際には希望の食料が届けられなかった世帯が一定数出たのであり、JA全農は、随意契約の目的を果たせなかったことになる。2022年12月の都議会で、この事業について批判が出ていた。

 

「『東京おこめクーポン事業』は、マスコミ等の耳目を集めがちですが、真に低所得者が必要とするものになっていません。(略)低所得者の支援は重要ですが、独善となってはなりません。現金給付の選択肢を排除せず、上下水道料金の支払いも可能にするなど、それぞれの状況、ニーズを踏まえた施策の構築を求めるものです」(中村ひろし都議の発言)

 

 従来型の現金給付などでは、小池都知事にとってサプライズにならなかったのだろうが、 それ以上に検証すべきは、投入した都費が膨れ上がった可能性だ。

 

 対象世帯に配送されたお米は、国産のブレンド米だった。ネット通販や格安スーパーを見れば、国産のブレンド米は5キロ1500円で販売されている(最安値)。この金額であれば、174万世帯ぶんの25キロのお米は、約130億円で買える。

 

 また、仮に1万円の現金を給付すれば、国産ブレンド米25キロを買ってもお釣りがくるが、それでも174億円で済むのだ。しかし、東京都がJA全農と契約した金額は、見積経過調書によれば、それよりはるかに高い約268億円だった――。

 

 皮肉を言えば、対象世帯から不満が出た挙げ句に、投じた都費の額の大きさが“サプライズ”だったのである。

 

取材/文・坂田拓也

( SmartFLASH )

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