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物価上昇が止まらない!鶏卵は昨年の1.3倍に…気になる鳥インフルエンザの影響は?
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.09.22 15:30 最終更新日:2023.09.22 15:30
9月22日、総務省がモノやサービスなどの物価変動を示す8月の「全国の消費者物価指数」を公表。昨年より3.1%上昇して、3%以上の物価上昇が1年続いている。
食品の値上がりが顕著で、生鮮食品を除く食料は9.2%上昇、48年ぶりの歴史的な伸び率だという。
「なかでも目立つのが鶏卵価格の高止まりです。炭酸飲料が16.7%、外食のハンバーガーが13.4%、アイスクリームが12.7%上昇しましたが、鶏卵は35.2%で突出しています。円安にともなうエサ代の高騰なども背景にあると思います」(経済担当記者)
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こうしたなかで心配されるのが、この冬の鳥インフルエンザの流行だ。農林水産省のホームページには、今シーズンは《過去最速の10月28日に国内1例目が確認されて以来、1月9日10時時点で23道県56事例発生し、約998万羽が殺処分対象となって》とある。
「ニワトリは孵化してからタマゴを産むようになるまで5カ月ほどかかります。そのため、鳥インフルが発生してすべてのニワトリが殺処分ということになると、その冬はタマゴの出荷ができなくなるのです」と養鶏関係者が言う。
今シーズンも大流行になるのだろうか。農林水産省の動物衛生課に聞いた。
「ウイルス自体が強毒化しているということは確認されていませんが、ヨーロッパでは今夏も鳥インフルエンザが発生していますし、北米だけでなく南米でも流行していますから緊張感を持っています。
養鶏業者さんには、昨年の検証を踏まえて侵入対策などをお知らせしています。また、同じ敷地内であっても、別棟などでニワトリを分けて管理していれば、すべてを殺処分しなくてもいいとしています。
ニワトリの羽数も、今は夏場で需要も落ちているので、半数ほどの戻りですが、冬に向けては問題ないと考えています」
渡り鳥だけでなく、ネズミやタヌキなどもウイルスを持ち込むことがわかってきており、対策が厄介になっている。
JA全農の資料によると、都内におけるMサイズのタマゴは、9月22日、キロあたり319円の高値をつけている。2020年9月は153円だったため、倍以上になっている。
「消費者のみなさまと同じで、(鳥インフルエンザの流行を)不安に思っています。昨年のようにならないことを祈るしかないです」と、日本養鶏協会の職員も神頼みの様相だ。
物価の優等生と言われたの頃が懐かしい。
( SmartFLASH )