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円の実力、過去最低「もう海外には行けない」SNSで広がる嘆息「ドルと金を買っておけば…」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.09.22 18:00 最終更新日:2023.09.22 18:00
9月21日、国際決済銀行(BIS)が発表した8月の円の実質実効為替レート(2020年=100)は73.19となり、これまで過去最低だった1970年8月(73.45)を53年ぶりに下回った。
円が1ドル=360円の固定相場制だった時代よりも低く、同日、日本経済新聞は「円の実力、過去最低に 円安など響き1970年を下回る」と報じた。
同レートは「通貨の実力」を示すとされ、低下すると、輸入企業の収益が悪化し、商品価格が上昇することで、家計を圧迫する要因となる。
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同日の円の対ドル相場は1ドル=148円台。2011年10月の史上最高値75円30銭台から、円の価値はほぼ半減したことになる。
円の実力が過去最低となったことに、SNSでは嘆息する声が広がった。
《もう日本円貰う仕事は考えた方が良いかもなぁ》
《もう海外旅行には行けないなぁ…》
《ドルと金、買っとくんだったなあ…》
9月19日には、三井住友銀行が、個人向けの米ドル建て定期預金の金利を9月25日から大幅に引き上げると発表。預入期間が6カ月物と1年物の税引き前年利率は現在の0.01%から5.30%になる。
9月21日には、国内の代表的な指標となる金売買大手、田中貴金属工業の店頭小売価格が1万178円(1グラムあたり、税込み)をつけ、過去最高値を更新した。
岸田文雄首相は21日(日本時間22日未明)、訪問先の米ニューヨークで講演し、海外の資産運用会社の日本進出を促すため、「資産運用特区」を創設する考えを表明した。
首相は2022年に打ち出した「資産所得倍増プラン」を念頭に、少額投資非課税制度(NISA)の拡充・恒久化などに取り組んできたと説明。今後はさらなる取り組みとして「(資産)運用の高度化を進め、新規参入を促進する」とし、「わが国経済の底力と将来の計画をよく見ていただき、日本に投資いただくことを強く求めたい」と訴えた。
岸田首相が「資産運用特区」を創設する考えを表明したことに、SNSでは批判的な声が多くあがっている。
《首相就任当初に他ならぬ自らの口で公言していた自国民の「所得倍増」など、まるで無かったかのように跡形もなく消え去せている。大半の自国民から運用する資産どころか購買力すら奪い去っておきながら浮世離れも甚だしい》
《日本人の「所得倍増」はとうに消え、ついに外国人ファンドマネージャーへの “ お-も-て-な-し “ へと変節してしまいました》
《円安って、国力を弱めているだけで、本当に日本の経済にプラスなのでしょうか? インバウンド、マンション・土地の買い漁り、資産運用業への海外からの参入。いずれも日本の叩き売りであって、こんなのに頼って、日本経済が成長していくとはとても思えません》
投資に回す資金がなければ、円の実力の低下の影響をもろに受けることになる。岸田首相が掲げる「資産所得倍増プラン」で、どれだけの日本人が恩恵を受けられるのだろうか。
( SmartFLASH )