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「国益に反する知事」…リニア工事問題巡り静岡・川勝知事に批判、“難クセ”は「水」から「土」へ
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.09.22 19:00 最終更新日:2023.09.22 19:00
9月21日、JR東海の丹羽俊介社長は定例会見で、リニア工事に関する「田代ダム案」について、大井川流域の市や町に「説明できるような内容になってきた」と述べた。
「田代ダム案」は、リニア中央新幹線のトンネル工事によって流出する大井川の水を、田代ダムの取水を抑制して戻すというもの。水の「全量戻し」を求める静岡県に対して、JR東海が提示した案で、田代ダムの水を使って発電を行っている東京電力とJR東海の間で、具体的な方法について協議が進められている。
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大井川流域の10市町は、JR東海との連絡調整会議の開催を求めており、丹羽社長は会見で「近いうちに説明する場を開くために準備を進めている」と前向きな姿勢を見せた。
リニアの静岡県内の工区は約9キロ。すべてがトンネルだが、静岡県の川勝平太知事が「水一滴も譲らない」と強硬な姿勢をみせているため、着工さえできていない現状だ。
だが「田代ダム案」によって、水問題が解決すれば、いよいよ着工――とは、残念ながらいかないようだ。
「『田代ダム案』については、流域市町の支持が得られており、静岡県としてもいずれは認めざるを得ないでしょう。ただ、川勝知事はリニアの反対理由を『水』から『土』へと移しつつあります。
今年6月、JR東海が東電との具体的な協議に入った直後、川勝知事は会見でリニア工事について『大きいのは水と発生土の問題だ』『計画されている発生土の置き場は国土交通省の資料で深層崩壊が懸念されていたり、県の盛り土条例に抵触するなど、きわめて厳しい』と発言。8月に開かれた静岡県の専門部会でも、1年ぶりに土砂の置き場が議題になりました」(週刊誌記者)
「深層崩壊」は大雨や地震が原因で、表土のみならず岩盤までも崩壊するがけ崩れの一種。
リニアの静岡工区で発生する残土は、東京ドーム約3個分にあたる約370万立方メートルで、JR東海は、残土の大半の置き場を静岡市北部山中の「燕(ツバクロ)沢」とする予定だ。
「川勝知事が懸念を示す『深層崩壊』ですが、それに対しJR東海はシミュレーション結果を提示しています。ツバクロ付近で深層崩壊が起きた場合、約7キロ離れた最寄りの山小屋にも土石流の被害は及ばないというものです。この周囲に人家はなく、最寄りの人家はさらに離れた場所です。
元国土交通省の官僚で土木の専門家でもある難波喬司・静岡市長も、ツバクロを残土置き場の候補地とすることに『否定する理由はない』と川勝知事の姿勢を批判しています」(同前)
当の川勝知事は、9月21日の県議会で「不信の念を抱かせてしまったことを、改めて深くおわび申し上げる」と述べた。2021年の“コシヒカリ発言”が批判され、給与など約400万円を返上すると約束したにも関わらず、返上されていないことが発覚したことに対する謝罪だ。川勝知事は同日、自身の給与返上の条例案を議会に提出した。
SNSやネットでは
《給与返上しなくていいから即刻辞任してくれ。静岡県だけではなく我が国の国益に反する知事である》
《リニア遅延に関しては、給与返上くらいでは済まないほど国益を損ねている》
との批判も。「ああ言えばこう言う」知事への風当たりは、さらに強くなりそうだ。
( SmartFLASH )