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道の駅「段ボール授乳室」への批判を島根・丸山知事が一蹴「正論」「ちょっと感動」SNSで広がる賛同

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.09.29 16:07 最終更新日:2023.09.29 16:16

道の駅「段ボール授乳室」への批判を島根・丸山知事が一蹴「正論」「ちょっと感動」SNSで広がる賛同

島根県の丸山達也知事(写真・時事通信)

 

 9月28日、島根県丸山達也知事は記者会見で、「段ボール授乳室」への批判を「間違った考え方」と一蹴した。

 

 賛否が巻き起こっていたのは、9月19日に松江市の道の駅「秋鹿(あいか)なぎさ公園」に設置された段ボール製の授乳室。

 

 国土交通省は子育て応援施策として、全国の道の駅のベビーコーナー設置率を「2025年度までに50%以上」とする目標を掲げている。

 

 

 この目標を踏まえ、日本道路建設業協会が「全国道の駅連絡会」と連携し、7月から3年間で、全国の道の駅150カ所に「段ボール授乳室」を寄贈するとしており、今回の寄贈は、大分県豊後大野市の道の駅「みえ」に続く2例めとなる。

 

 幅約1m、高さと奥行きがそれぞれ約2m。強化段ボール製のため、常設にも耐え得る強度を持ち、重さ約20kgのため簡単に移動できる。組み立ても簡単で、軽く水拭きもできるという。

 

 ただ、出入り口はカーテンの仕切りだけで鍵をかけられず、天井に覆いもない。そのため、侵入や覗きの危険があることから、SNSでは批判的な声が多くあがっていた。

 

《なにこれ、酷すぎて泣きそう。一過性のイベント用とかならまだしも、あんな立派な建物の道の駅の授乳室がダンボール…出ているのもオジサンばかりで、実際に使う女性の羞恥や恐怖には無頓着過ぎる これで子育て支援と言われても、ピントがズレすぎて言葉がない》

 

《天井開いてるしカーテンちゃんと閉まらないし、荷物置く棚とかもないし、こんな所で安心して授乳出来るわけないじゃん。子供連れて外出してる人が手ぶらな訳ないでしょ。おっさんが適当に作った資源ゴミじゃなくて、まともなスペースをちゃんと工事して作りなよ》

 

 こうした批判の声を、丸山知事は28日の定例記者会見で一蹴したのだ。

 

「声を大にしていいたいですけど、100点満点のものしか使わないという人もおられるでしょう。でも100点満点のものを待っていると、できずに終わってしまいますよ。その問題を解決しようと思ったのが、あの段ボールの簡易型のものだと思います。いろいろ問題はあったと思いますが、100点じゃないから供用すべきじゃないっていうのは間違った考え方です。

 

 100点を求める人からするとあれは失格で、撤去すべきでしょう。そしたら、車の中で、タオルケットかなんかで隠しながら授乳することになる。役所がやるんだから100点満点のものをって叫ぶのは構わないけど、簡単にできない、ハードルを上げるだけですよ。結果的に何もできずに終わってしまう。

 

 100点主義で非難がたくさん来たんでしょうけど、そんなことに惑わされちゃいけない。60点でもいいです、という人や、指摘を受け改善して、60点のものを80点にして使ってもらうというのは充分にありだと思います。5点でも10点でも前進するなら、100点でなくてもやるべきことはやる。私の感性はそんな感じです」

 

 そのうえで、丸山知事は、段ボール授乳室の寄贈を「よい取り組み」と述べた。

 

「道の駅の団体のみなさんと、日本道路建設業協会のみなさんが寄付してくれてるわけで、そうあしざまに言うような話じゃないんじゃないかと。よい善意だと思いますよ、私は。立派なアイデアだと思います。

 

 お金がないから合格点・基準点を下げるのかと笑われるかもしれないけど。実際に使う人がおられなかったら撤去すればいい。100点満点じゃないとダメだという人ばかりではないと思います。わたしは道の駅の設置者じゃないので、権限はないですけど、よい取り組みだと思います」

 

 島根県の丸山知事が、段ボール授乳室への批判を一蹴したことに、SNSでは賛同する声が多く上がった。

 

《正論過ぎて付け加えることが無い》

 

《「ご意見賜りました」で突っぱねて欲しいなーとか思ってたが、超えてきた》

 

《知事という叩かれやすい立場の人が、イチャモンに対して真正面から、率直に、完全に反論しててちょっと感動した》

 

《良くも悪くも空気読まずにこういうことをはっきり言うのは頼もしくはある》

 

 道の駅「秋鹿なぎさ公園」では、上からのぞきこめないよう天井に屋根をつけ、子どもが遊べるよう、床にプレーマットを置くなど、改良を実施。今後もカーテンを二重にしたり、照明器具をつけるなどの対策をしていくという。

 

 9月22日には、福岡県田川郡添田町の道の駅「歓遊舎ひこさん」、27日には、福岡県大牟田市の道の駅「おおむた」が段ボール授乳室の寄贈を受け、設置された。

 

 だが、NHKによると、10月に寄贈を受ける島根県の川本町は、当面、使用を見送ることを決めたという。

 

 丸山知事が「声を大にして」述べた見解は、段ボール授乳室設置の流れをよい方向に向けることができるだろうか。

( SmartFLASH )

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