社会・政治
【NHK不正経費請求】「まじザルですわ」「当初は数件でシャンシャンに」職員に出回る“怪文書”の中身
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.09.29 19:39 最終更新日:2023.09.29 19:57
9月26日、NHKは、報道局の記者が不正な経費請求をおこなっており、第三者委員会を設置のうえ、調査を進めると公表した。
NHKが公表したところによると、不正請求をおこなっていたのは30代のA記者で、請求した経費のなかには知人との私的な飲食の費用、数万円が含まれている疑いがあるとしている。
しかし、同日に「デイリー新潮」で配信された記事によると、内容はもっと大胆だったようだ。
【関連記事:NHK会長に驚きの内部告発「BS受信料未払い疑惑」を直撃】
「知人との私的な飲み会だけでなく、ひとり飲みの食費も経費として請求しており、その額は年間300万円以上。さらには、会費制の飲み会で支払いをA記者がおこない、会社には経費を請求、会費は自分の懐に入れるという二重取りをしていたと『デイリー新潮』が報じています」(社会部記者)
A記者について、NHK職員はこう話す。
「地方局を振り出しに、さいたま放送局、そして東京の放送センターに来ました。東京では、はじめに警視庁の捜査一課担当になり、いわゆる“夜討ち朝駆け”にがんばるタイプでした。まあ、それしかできないという評価もありますが……。
ただ、いまやそんな体育会系の記者も少なくなっており、上司からの覚えはめでたかった印象です。以前から、A記者の経費請求が高額になっているという認識はありましたが、上司たちはそれを黙認。結果、モンスター化していったようです。
ハイヤーの使い方も目に余るものがありました。私も、A記者が『ハイヤーに乗車している時間は勤務とみなされるよね』と、自慢げに話していたのを聞いたことがあります」
こうした醜聞が明らかになったNHKだが、内部では、また新たな騒ぎが起きているという。
「いま、職員の間で、今回の不正経費請求にまつわる“怪文書”が共有されているんですよ。内容を見るに、NHKの上級幹部が作成し、職員にまわってきたのではないでしょうか。さらに、他社の記者などにも拡散しているようです」
こう話すのは、あるNHK関係者だ。実際に本誌も2通の文書を入手したが、そこにはA記者だけでなく、その上司や、過去に不正経費請求の嫌疑をかけられた記者などの実名とともに、不正発覚の経緯が書かれている。その内容は、皮肉にも“さすが一流報道機関”と言える事細かさだ。
A記者は「162」と呼ばれる、取材先との飲食費を申請する経理用のコード名で、不正請求をしていたとされているが、怪文書内では、A記者だけでなく、その周囲の職員なども「162」の不正請求に寛容であったかのような記載があった。
《同期(※編集部注・A記者と別の人物)が所属部署内の雑談で「社会部の162ってまじザルですわ」と発言》
《当初は数件でシャンシャンにするつもりが、事案が多すぎて公開捜査へ切り替え》
《発覚当初は、仕事もできるため周囲からは不憫に思う声が多数あった》
視聴者からの受信料で成り立っているNHKだが、それを私的に流用しているとすれば、許されることではない。
前出のNHK関係者が話す。
「たびたび、NHK内では怪文書が流れることはありますが、ここまで手の込んだものは珍しいです。これにはやはり、上層部などの思惑が働いているのでしょう。
現在、NHKでは中期経営計画の策定が大詰めに差しかかっています。そんななか、こういった不祥事が明るみになっては、視聴者の受信料不払いにつながりかねません。
今回、A記者の不正経費請求の公表は『デイリー新潮』の記事とほぼ同じタイミングになりましたが、それは不祥事が外部にリークされたからです。こうしたリークが起きる前に、NHK内で不祥事対応をできるようにするため、あえて怪文書を流して、情報流出経路を探っているんだと思います」
NHKに今回の怪文書と、そのなかで職員内で不正請求に寛容であるかのような記載があったことについて見解を尋ねたところ、
「報道局職員の不正な経費請求については、外部の有識者からなる第三者委員会のもとで徹底的に調査をおこないます」
の回答のみだった。
9月27日、定例記者会見を開いたNHKの稲葉延雄会長は、この問題の調査、対処について「断固とした態度で臨む必要がある」と述べた。
「それを受けてか、NHKのある部署では『日々の立て替えをきちんと処理しないと、いつか公私混同の区別がつかなくなる。今回のようなことが起こるから気をつけましょう』と会議で言われたそうですが、この対応も鼻で笑うようなものですよね」(前出・NHK関係者)
同僚内で情報戦を仕掛ける前に、報道機関お得意の“検証”をしっかりしてほしい。
( SmartFLASH )