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やる気なし「韓国ミサイル防空訓練」の待避マニュアルを入手
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.09.16 06:00 最終更新日:2017.09.16 06:00
近頃は北朝鮮に関する報道をテレビや新聞で見ない日はない。
8月29日には、北朝鮮が平壌から日本方面へ中距離弾道ミサイルを発射。日本の北海道上空550キロあたりを通過し、襟裳岬から1180kmほど離れた太平洋沖に落下した。
午前6時のミサイル発射により、日本の全国瞬時警報システム「Jアラート」が発動、北海道や東北を中心とした12道県で警報が発令された。Jアラートは、2012年と2016年に沖縄県で出されているものの、今回の規模で警報が出されるのは初めて。前代未聞の事態に日本中が大騒ぎとなった。
北朝鮮から日本海を隔てて距離のある日本でこの状態である。38度線を境にしたお隣の韓国は一体どんな状況なのだろう。きっと一触即発、緊張感に溢れているはず――と思いきや。
「拍子抜けするほど緊張感とはほど遠い状態でした」
そう語るのは、8月23日に韓国全土で行われた防空訓練「民防衛の日」を、現地ソウルで取材したジャーナリストA氏。ちなみに韓国では、1975年から毎年、北朝鮮のミサイル攻撃を想定した防空訓練を全国規模で行なっている。
「警官は仕事ですから、サイレンの合図で車を停止させるなど、それなりの交通整理ぐらいはしていました。ただ区の職員の女の子らは面倒くさそうな顔で、待避マニュアルを積極的に配ることもなく、紙の束を手にしたまま同僚とおしゃべり。私がわざわざ『下さい』と言って初めてもらえるような状態でした」
そのマニュアルには、軽いタッチのイラストで「空襲警報がなったら非常階段で逃げる」「化学兵器で攻撃されたら呼吸器を保護して高台へ」などと書かれていた。
A氏が見る限り、真面目に訓練を行なっていたのは「民防衛隊員」と呼ばれる迷彩服姿の人々だけだったという。
「市民は防空訓練など意に介さず、何食わぬ顔で通り過ぎていました。各職場の民防担当者はいちばんダラダラで、昼飯おわりにコーヒーを手に町を歩いてる様子で、どうにも緊張感とはほど遠い感じでした」
A氏によると、もっとも緊張感のないのが若い世代だという。
「そもそも北朝鮮を脅威と感じていない若い世代は、訓練に緊迫感などありません。なにせ文在寅大統領すら野党時代は疑問を呈していたほどです。その大統領を熱烈に支持しているのが若者。なんとか兵役がなくならないか、軽減されないかを願っているのです。若者の最大の関心は北朝鮮ではなく、雇用問題です。とにかく就職先がない。いい大学を出ても、結局は『チキン屋(=唐揚げ屋)』しかないと、みんな口にしています」
日々の生活の不安が大きすぎて、戦争など構っていられないのかも。