9月30日の午前7時ごろ、兵庫県宝塚市で25歳の女性が倒れているのが発見され、死亡が確認された。遺体が見つかったのは、女性が住むマンションの敷地内だった。
社会部記者が、こう話す。
「亡くなった女性は宝塚歌劇団に所属する劇団員のAさん。マンションの最上階には彼女の私物とみられる手提げかばんがありました。そして、事件性が見当たらない点から、警察は飛び降り自殺とみています」
関連記事:扇千景さん死去、宝塚出身の「お嬢さま女優」から「ヤジ女帝」へ豪快転身人生【画像あり】
Aさんは、事件当時に宝塚歌劇団の「宙組」に所属。マンションの近くにある「宝塚大劇場」でおこなわれていた公演にも、たびたび出演していた。
宝塚歌劇団は、10月1~8日に同劇場で予定されていた『PAGAD』『Sky Fantasy!』の公演中止を発表。また、「出演者の心身の状況を考慮した結果」として、東京宝塚劇場の『鴛鴦(おしどり)歌合戦』『GRAND MIRAGE!』も10月3日~5日まで公演中止とした。
「じつは『PAGAD』のストーリーには、主要キャストが自死する描写があるんです。そのため、とてもじゃないですが、このままの演出で公演を続行することなんてできません。
10月2日に、ひっそりとAさんの告別式がおこなわれたと聞いています。大御所OGが経営するスクールから宝塚受験に合格した娘役でした。もともと熱心な宝塚ファンだったようです。
ご両親も劇団員としての活動を応援していたそうで、自宅マンションも入団した年にご両親が購入してあげたものでした」(宝塚歌劇団関係者)
Aさんが住んでいたのは武庫川沿いに建つ、18階建ての高層マンション。部屋からは宝塚大劇場を望むことができる。
「あの日の朝、散歩に出かけた姉が家に帰ってくるなり、『マンションでなにか事件があったみたいや。ものすごい数のパトカーが集まっている』と言ったので、驚きました。
その後に宝塚大劇場の前を通ると、『本日の公演は中止します』とアナウンスされていたんです。ニュースを調べてみると『タカラジェンヌが死亡』とあったので、姉が言っていたのはこれだったんや、と納得しました」(近所に住む30代女性)
遺体が発見された30日の朝、宝塚駅に近いAさんのマンション周辺は多くの警察車両が集まり、騒々しい雰囲気だった。20人近い警察官が姿を見せ、6時間近く現場を調べていたという。
マンションの表玄関側には交通量の多い幹線道路が通るが、武庫川に面している側は遊歩道になっており、散歩をする人などが見かけられた。ただ、照明は少なく、夜はだいぶ暗さを感じるような道だった。
Aさんの遺体は、そちら側の敷地内で発見されたが、死亡当時の状況については、まだはっきりと報じられていない。
「29日の夜は、ここらでも “中秋の名月” というべき、素晴らしい満月が見られたんです」と話すのは、武庫川沿いの遊歩道で、犬の散歩をしていた70代男性だ。
「あの日の朝の7時ごろも、犬の散歩でこのあたりを歩いていました。“飛び降り” や人が落ちたような音はまったくしなかった。もし、そんなことがあれば、この周辺にはラジオ体操をしている人や散歩の人が多くいましたし、絶対に気づくはずです。なのに、みんな何も気がつかなかった。
さっきも、よく散歩している顔見知りの人たちと『彼女は満月だった29日の深夜に飛び降りたんじゃないか』と話していたところでした。
何年かに一度の名月。異様に明るく輝く、まんまるとした大きな月を見て、彼女も何か感じることがあったのかもしれないなあ……」
満月の光に照らされたまま、Aさんの遺体は夜を越し、明け方に発見されたということなのか――。
事件後、公演中止となっている宝塚大劇場だが、10月3日に本誌記者が訪れると、驚くほど静かだった。
そんななか、劇場近くに住み、長年、歌劇団を応援してきたファンは憤りながらこう話した。
「現役のタカラジェンヌが自殺なんて、聞いたことがありません。前に週刊誌で “いじめ報道” があったようですが、上下関係が厳しい世界で、それは昔からよく聞く話。けれど、今回のような衝撃的なことは初めてです。いったいなにがあったのか……亡くなったAさんがかわいそうで、たまりません」
110年の歴史を誇る宝塚歌劇団で何が起きているのか――。
■「日本いのちの電話」
ナビダイヤル:0570-783-556(午前10時~午後10時)
フリーダイヤル:0120-783-556(毎日・午後4時~午後9時/毎月10日・午前8時~翌日午前8時)
( SmartFLASH )