「増税メガネーッ!」――岸田文雄首相の街頭演説でヤジを飛ばした男性が、会場を追い出されたと時事通信が伝えている。10月14日、参院徳島・高知選挙区補欠選挙で自民党公認候補の応援演説を、徳島県内でおこなっていたときのことだ。
「『増税メガネ』は、おもにネット上で使われる首相のあだ名ですが、世間一般でも浸透しつつあるということかもしれません。
しかし、最近はそれがさらにエスカレート。ついには『銭ゲバメガネ』と呼ばれるようになっています」(政治担当記者)
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「銭ゲバ」となったのは、イスラエルからの邦人退避のため、政府が用意したチャーター機をめぐる経緯から。イスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が激化しているため、イスラエルからアラブ首長国連邦のドバイに向かう便だが、有料で1人3万円かかると報じられている。
その一方で、韓国政府は軍の輸送機をイスラエルに向かわせ、現地の韓国人だけでなく日本人51人を乗せて、15日に韓国へ戻ってきた。結局、日本政府が用意したチャーター機に乗ったのは8人だけで、同機は15日にドバイに到着している。
有料で、しかもイスラエルからドバイまでの日本と、「人道的な観点」から座席を無料で提供してくれた韓国。SNSには《韓国ありがとう》の声があふれている一方で、
《今回ばかりは韓国軍に感謝しかない。自国民をすぐに助けられない日本政府の無能っぷりには空いた口が塞がらない》
《銭ゲバの政府ではほんまあかんて 韓国は自国に無料で帰れるからそこに日本人も乗るって 恥ずかしいよな》
など、政府への批判が多数見られる。さらには、
《遅い上に有料 海外に国民の血税を平然とバラまくなら自国民に使えよ。銭ゲバメガネめ》
《銭ゲバ増税メガネ君はなんで緊急の退避者から3万円取るんだ!?》
と、岸田首相を非難する声も多数――。
「『増税メガネ』と呼ばれていることは、岸田首相も知っていますが、『レーシックにすればいいのか』と軽口をたたくほどで、それほど気にはしていません。
ただ、支持率が急落していることに危機感はあるようで、このところ首相周辺から『減税』という言葉が聞かれるようになっていました。
岸田首相は9月25日、新たな経済政策について『成長の成果である税収増などを国民に適切に還元する』と発言しており、これが減税を指すのではないかとの見方もありました。
しかし、10月14日の『朝日新聞』は、10月中に政府がまとめる総合経済対策に、自民党の提言として所得税減税を盛り込まない方向だと報じています」(同)
国民民主党代表の玉木雄一郎氏は、10月14日、Xを更新。この朝日新聞の記事を引用し、
《やっぱりダメか。所得税減税もダメ 消費税減税もダメ ガソリン減税(トリガー)もダメ となると残された減税は法人税減税 それと低所得者と子育て世帯への「給付」といういつものメニュー これで「税収増の国民への還元」と言えるのか? 自民党の心ある議員もっと頑張れ》
と呼びかけている。岸田首相には「減税だけは絶対にやらない」「取れるものはどんどんぼったくれ」という強い意志が見えるようだ。
「増税メガネ」「銭ゲバメガネ」は単なるあだ名ではなく、国民から首相への “呼び掛け” でもある。この声は届くのか。
( SmartFLASH )