社会・政治
ついに東京都&警察が本気に「トー横キッズ」相次ぐ一斉補導の背景に「メンコン」の“洗脳営業”識者が解説
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.10.16 20:45 最終更新日:2023.10.18 15:13
ここ数年、行き場のない若者のたまり場と化して社会問題化していた東京・新宿区歌舞伎町の通称「トー横」。そこに出入りする、いわゆる“トー横キッズ”が、ついに一斉補導された。
「警視庁は、歌舞伎町で9月から3週間にわたり、週末に126人体制でトー横キッズらの一斉補導を展開。13歳から18歳までの男女42人を補導しましたが、うち40人は女子でした。たびたび問題を起こしていたにもかかわらず、なぜか放置されてきたトー横キッズですが、8月10日には小池百合子都知事が視察に訪れるなど、いよいよ警視庁も本腰を入れると思われていた矢先でした」(事件ライター)
トー横界隈の事情に精通する、歌舞伎町ガイド人の仙頭正教氏(@sento1025)に、今回の一斉補導に対する見解を聞いた。
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「トー横が問題視され、もう3、4年になりますが、この間、ずいぶんといろいろな事件が起こってきました。ハウルがどうこう、四天王がどうこう、また未成年淫行や薬物汚染、闇バイトなど、彼らを取り巻く環境のなかから複数の事件が起こり、なかには殺人事件までありました。それらを受け、2023年に入って、当局がかなり本気になってきているのは間違いないです」
8月10日の小池都知事の視察も、その本気度のあらわれだという。
「2023年に入って、警察によるトー横キッズの一斉補導が明らかに増えています。3月には『13歳から19歳までの男女30人』、7月15日には『13歳から18歳までの男女26人』を補導しています。それらに続いて、今回の『男女42人』ですから、補導の回数が増えてきているのは明白です。
またトー横には、複数のボランティア団体が入り込んでおり、『居場所がない』とする少年少女たちに声をかけて、世話を焼いています。東京都はそういった支援団体に活動費を提供していて、『一般社団法人若草プロジェクト』への4442万8000円を筆頭に、計5団体に1億7099万9000円もの資金提供をしています。これらのことからも、東京都および新宿区の本気度がうかがえます」(仙頭氏)
さらに、歌舞伎町をウォッチし続けてきた仙頭氏は、衝撃的な分析を口にする。
「これほどまでに東京都が、トー横問題に本気になってきた理由は何かといえば、トー横キッズが増加したことはもちろんですが、そのキッズを増やしている『元凶』が、背景にあるからです。それがメンズコンカフェ(メンコン)です」
メンコンとは、ひとことで言うと、ホストクラブの下位互換のような飲食店のこと。歌舞伎町には現在、30~40の店舗があり、その商売のやり方が、問題視されている店もあるという。仙頭氏がメンコンのビジネスを解説する。
「若い男のスタッフ(キャスト)が、客の女性の恋心をくすぐり、『推し』という概念のもと、彼女らを自分の“財布”になるように“洗脳”します。そして、ホストクラブほどではないものの、自分のために金を使わせるのです。
店内での『チェキ撮影』や『私物サイン』、さらに『同伴デート』や『ディズニーデート』など、高額なオプションを提示し、キャストが客の女性に、暗に売春でカネをつくることを勧めたり、といったこともあります。そんなメンコンがいま、トー横キッズの女性に人気なんです。
では、メンコンのキャストが、どうやって女性を集客しているか? 彼らは日々、SNSをあさっては、トー横キッズっぽい見た目の自撮りをあげている若い女性のアカウントに、次から次へと『遊びに来ない?』とDMを送っているんです。それこそ、相手の年齢や居住地も関係なく、片っ端から『歌舞伎町に来ない?』と」
こうしたメンコンの存在や実態は、東京都も把握しており、7月末に、東京都青少年問題協議会から小池都知事に提出された、トー横についてまとめた意見書の中でも、その存在が記されていたという。
「いま、新宿署には、メンコンがらみの未成年の親からの相談がいっぱい来ていると聞きます。その内容は、『娘がメンコンのキャストに妊娠させられた』『娘がメンコンで遊ぶ金をつくるためにパパ活を始めた』『娘がパパ活を始めて、複数の性病に罹患した』などなどです。東京都がトー横キッズの一掃に本気になったのは、こうしたメンコンの問題が背景にあるのは、間違いないと思います」(仙頭氏)
今回、一斉補導されたトー横キッズ42人のうち、40人が女性だったことは先にも述べたとおり。圧倒的に女性の数が多いことが、問題の深さを物語っている。
( SmartFLASH )