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ソフトバンク、1.5兆円出資した「ウィーワーク」が紙くずの危機…孫正義氏はわずか12分の社内見学で投資即決、後に「人生の汚点」と謝罪
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.11.02 18:27 最終更新日:2023.11.02 18:34
ソフトバンクグループ(SBG)が出資する米共有オフィス大手「ウィーワーク」が早ければ来週にも、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用をニュージャージー州の裁判所に申請する見通しであることがわかった。10月31日、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)電子版が報じた。
ウィーワークはオフィス会員の解約が続き、深刻な経営危機に陥っている。2023年4~6月期決算発表の際には、事業継続に重大な疑義があると開示していた。
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ウィーワークは10月2日が期限だった社債の利払いができず、30日の猶予期間中に返還できなければデフォルト(債務不履行)状態に陥ったとみなされる可能性がある。
「2010年2月の創業以来、ウィーワークはグローバルに事業規模を拡大し、多くの投資家から資金調達してきました。
ソフトバンクグループの孫正義会長は、ウィーワーク創業者のアダム・ニューマン氏にほれ込み、44億ドル(約6600億円)の出資をたった12分の社内見学だけで即決してしまったというエピソードは有名です」(経済担当記者)
ウィーワークは2019年1月には企業価値が470億ドル(約7兆500億円)と評価され、2019年中の上場を目指した。
「ところが、実態は不動産業で赤字続きだと批判が続出。ニューマン氏の大麻使用疑惑や公私混同ぶりも取りざたされ、ニューマン氏は同年9月の取締役会で解任され、10月下旬にはウィーワークの企業価値は約80億ドルまで、8割超減少することとなりました。
ニューマン氏が経営から退くにあたり、保有株の売却などで十数億ドルを手にしたことに対する反発も大きかったのです」(同)
孫氏がSBGを通じ、ウィーワークに出資した額は、最終的には約100億ドル(約1兆5000億円)に膨らんだ。
孫氏は、2023年6月の株主総会で、ウィーワークへの投資の失敗を問われ、「僕の責任。僕がウィーワークに訪問してほれ込んでしまった。一部役員や社員の忠告が何度もあったが、多額のお金をつぎ込んでしまった」と回答。
また、創業者のニューマン氏に対しては、「僕が彼にあおった部分もある。彼以上に僕が悪いのではないか」と語り、「私の人生の汚点」と認めた。
孫氏が約100億ドル(約1兆5000億円)も投資したウィーワークが破産申請をすることに、SNSでは、ソフトバンクへの影響を危惧する声が上がっている。
《随分な額突っ込んどったと思うけど大丈夫かソフトバンク》
《破産申請で最終的にこの会社でいくら溶かすことになるのか気になるところ》
《本当なら、19年の時点(ニューマンによる放漫経営が発覚し、将来性のない事業であることが判明)で、ソフトバンクはウィーワークとの縁を全部切って損切りするのが今から見れば正解だった訳ですが(SBはウィーワークを引き受けることで底なし沼に)、それができなかったのは、面子とかあったんだろうなあ》
ウィーワークの転落劇は、米アップルが『WeCrashed~スタートアップ狂騒曲~』というタイトルでドラマ化。アップルTVで2022年3月から配信中だ。ソフトバンクや孫氏の名前もそのまま登場するドラマも、孫氏にとっては「人生の汚点」といえるだろう。
( SmartFLASH )