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運転士の「退職理由」をバス停に掲示の山口・いわくにバス「個人情報漏えい」批判に会社は「運転士も知っています」

社会・政治 投稿日:2023.11.07 15:36FLASH編集部

運転士の「退職理由」をバス停に掲示の山口・いわくにバス「個人情報漏えい」批判に会社は「運転士も知っています」

岩国駅で停車中のいわくにバス

 

《運転士の退職を受けて、急遽ですが、土日祝運行のみ便(平日は運行)を減便、一部時刻を変更します。》

 

 という、『いわくにバス』のバス停に貼り出された告知が11月6日、X(旧Twitter)にアップされ、話題になっている。 

 

 いわくにバスは山口県岩国市に本社を置く、路線バス事業が中心の会社。会社発表では、従業員が70人の規模である。

 

 掲示内容がこれだけなら、昨今の運転士不足や乗客の減少などから、減便や路線廃止をするバス会社も多いので、さほど驚かないが、張り出された告知には運転手の退職理由として

 

 

《拘束時間が長すぎて自分の時間が取れない。子供にまだまだ金がかかる。》

 

 と、「個人情報」と思われる内容まで書かれてあったのだ。

 

 これにはみな、さすがに驚きを隠せず、SNSには

 

《バスの運転手、給与安いからなーそうなるよなー》

 

《理由書く必要あるんだろうか》

 

《元社員さんは退職理由の公表に同意したのだろうか?》

 

 といった個人情報漏えいを心配する声や

 

《国も真剣に人件費補助は考えないと地方は消滅するで》

 

 など、行政の支援を求める書き込みもあった。

 

「バスやタクシーの運転士がなぜ不足しているのかが、如実にわかる話ですね。『求人ボックス・給料ナビ』によると、バス運転士の平均年収は約385万円。月給換算だと32万円だそうです。しかも勤務時間が長く、宿直勤務もあります。NHKは9月20日放送の『首都圏ナビ』で、業界団体の話として、2030年度には3万6000人の運転士が不足するという試算を報じています」(週刊誌記者)

 

 今回、なぜいわくにバスは、この掲示を出したのか。本社に聞いた。

 

「お客さまや行政から運転士の退社理由を聞かれますので、それに答えないわけにはいかず、理由を書きました。何か、特別な意図があって書いたものではありません。もちろんリアルな理由で、辞めた運転士も掲示を知っています。

 

 全国的に、バス事業者は経営が本当に大変です。ギリギリの状況です。弊社も、社長が運転士として自らハンドルを握っていまして、行政から補助金もいただいていますが、それは赤字補填にまわし、従業員の給料アップにはつながっていないのが実態です」

 

 正直に苦しい状況を語った会社側。この掲示が、市民の足としてのバス事業が、継続していく一助になればいいのだが。

( SmartFLASH )

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