岸田文雄首相につけられた「増税メガネ」「減税ウソメガネ」の称号が、さらに進化しそうな勢いを見せている――。
「11月2日、政府は『デフレ完全脱却のための総合経済対策』を決定。納税者本人とその扶養家族を対象に、1人あたり所得税3万円・住民税1万円、合計で4万円の減税が決まりました。対象は9000万人程度、規模は総額3兆円台半ばになりそうです。
国民からは『額が少ない』『来年6月では遅い』『1回こっきりとはケチくさい』と不評ですが、なにより、多くの国民が求めているのは消費税減税です。しかし、岸田首相は『引き下げは検討していません。引き下げの効果についても考えておりません』と答弁しました。民意は完全に無視されています」(経済担当記者)
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ショボい減税でドヤ顔をするが、その一方で “メガトン級の大増税” 計画が着々と進んでいる。
「森林環境税」をご存知だろうか。2024年度から国内に住所のある個人に対して課税される国税で、1人年1000円が徴収される。森林整備が目的で、税収全額が都道府県・市町村へ譲与される。
実は、徴税前にもかかわらず、すでに2019年から制度はスタートしており、各自治体への配分も始まっている。
「しかし、納税者として首を傾げたくなることも多いんです。税の配分が『私有林や人工林の面積』に応じて50%、『人口』に応じて30%、『林業従事者数』に応じて20%となっているため、『森』がほぼない渋谷区にも3年間でおよそ4600万円が交付されています。
森林環境税による税収は年600億円と見込まれますが、この3年で配分された約840億円のうち47%にあたる395億円が消化されず、基金として積み立てられているのです」(同)
このほか、直接的な増税は「防衛増税」の一環として、2024年以降に「たばこ税」の増税などが提起されているが、開始時期などは確定していない。
2024年度は「扶養控除の縮小」も待ち受ける。所得税の負担を軽くする「扶養控除」をめぐり、高校生のいる子育て世帯の控除額を縮小することが検討されているのだ。
「児童手当の支給対象が高校生まで拡充されることから、納税者が16~18歳の子どもを扶養している場合、年収から38万円を差し引ける扶養控除の見直しがおこなわれます。
当初は控除の廃止も検討されましたが、世論の反発が強く、縮小にとどまりました。しかし、児童手当で収入増になっても、扶養控除の減少が大きければ家計にはマイナスとなります」(同)
岸田首相は「結果として負担が増えれば本末転倒との指摘も踏まえて整理を進める」と答弁しているが、3人家族で高校生が1人いる場合、年収850万円以上の世帯では、児童手当を月1万円もらっても扶養控除廃止でかえって負担増になるとの試算も報じられている。これでは完全な “隠れ増税” だ。
一方、「増税」ではないが、事実上の「負担増」となるのが、「年金支払いの5年延長」だ。
10月24日、厚生労働省の社会保障審議会が開かれ、「国民年金の保険料支払い期間を5年延長して65歳までとする」案に賛成意見が相次いだ。
「現在、国民年金の保険料は月1万6520円(2023年度)で、40年納めると、65歳から月6万6250円が給付されます。
しかし、今後はさらに少子高齢化が進み、年金事情の悪化が予想されます。60歳以降も現役で働く人が増えていることもあり、厚労省は払い込み期間の延長を考えているのです。
2024年末に結論を出し、2025年の通常国会で関連法改正案が提出される予定です。5年間に支払う保険料は、現在の金額で約99万円になります。まさに “メガ(100万)” 級の負担増です」(同)
国民にきちんと知らされないまま、次々と増税が待ち構えている。SNSでは、すでに「メガトン増税」との言葉が広まりつつある。「増税メガネ」岸田首相のあだ名は、「メガトン増税メガネ」に進化しそうだ。
( SmartFLASH )