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細田博之氏死去「セクハラ報道」「旧統一教会」国民への説明なく…汚し続けた「衆院議長」の“晩節”

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.11.10 16:00 最終更新日:2023.11.10 16:00

細田博之氏死去「セクハラ報道」「旧統一教会」国民への説明なく…汚し続けた「衆院議長」の“晩節”

 

 前衆院議長の細田博之氏が、11月10日午前10時58分、都内の病院で死去した。79歳だった。

 

 東京教育大(現・筑波大)附属駒場高校から東大法学部、通商産業省(現・経済産業省)というエリートコースを歩んだ細田氏。父・細田吉蔵元運輸相の秘書を経て、島根の地盤を引き継ぎ、1990年の衆院選で自民党から出馬し、初当選。

 

 

 2014年から2021年まで、清和政策研究会(現・安倍派)の会長として党内最大派閥をまとめた。2021年11月、当選11回ながら衆院議長に就任したのは、安倍派をまとめた論功行賞といわれる。

 

 だが、衆院議長に就任してからは迷走続きだった。2021年末、衆院選の「1票の格差」是正に向け、総務省から「10増10減」の新たな定数配分が報告されると、細田氏は議長でありながら異を唱えた。「都会だけ増やし、地方いじめのような10増10減は、もうちょっと考えたらどうか」と訴え、「3増3減」を主張した。

 

 細田氏は「選挙博士」の異名を持ち、2016年の「衆院選挙制度改革」を主導。アダムズ方式の導入を求めた議員立法の法案提出者にもかかわらずだ。

 

 2022年5月には、東京都内で開かれたパーティーで「議長になっても給料は月に100万円しかもらっていない」と発言し、物議を醸した。同月には、女性記者へのセクハラ行為を繰り返しているとの疑惑を報じられるも、会見などでの説明はなし。

 

 さらに同年、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係を指摘されたものの、自民党の調査では、細田氏が衆院議長であるため対象外となった。細田氏は9月29日に、教団関連団体の会合に計4回出席したことなどを認めたA4で1枚の文書を公表したものの、一部ネット上では“紙対応”と揶揄された。

 

 2023年1月には、衆院各会派の代表者と懇談形式で、教団との関係についての質疑に応じたものの、記者会見は「議長の立場でふさわしくない」と応じていなかった。

 

 9月7日、公務中に軽い体調不良を訴え、脳血管に関する予防的治療のため一時入院。8日に都内で開催された主要7カ国(G7)下院議長会議を欠席し、同中旬に退院していた。

 

 そして2023年秋、衆院議長辞任を表明。10月13日、辞任を前に初めて会見に応じたが、旧統一教会との関係について「会合に呼ばれれば出る程度で、特別な関係はない」と述べたのみだった。記者団の質問が続くなか「あくまで辞任会見だ」として、会見は50分あまりで打ち切られた。

 

 衆院議長を辞任する一方、議員として次の衆院選には出馬する意向を示していたため、今後、後継問題も難航することが予想される。

 

 2004年に小泉内閣で官房長官、2008年に麻生内閣で党幹事長を務めるなど要職を歴任した細田氏。だが、最後は数々の疑惑について、国民への説明をしないままこの世を去る形となった。「三権の長」である衆院議長の権威を失墜させる、晩節を汚した約1年だったと言わざるをえない。

( SmartFLASH )

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