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もはや意味不明…今度は「トンネル掘削で出た水そのものを返せ」静岡・川勝知事のトンデモがますますエスカレート
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.11.16 17:36 最終更新日:2023.11.16 17:46
11月15日、リニア中央新幹線の静岡工区を、自民党の静岡県議団が視察した。現場は、静岡市北部にある、トンネル工事で出る土砂を置く候補地や、水問題解決のカギとなる「田代ダム」。
視察には発生土置き場の地権者も同行し、「工事を受け入れる。自然環境については、リニアという新しい交通手段、インフラができるためにはある程度のことはやむを得ない」と理解を示した。
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リニアの東京・品川~名古屋間285kmのうち、静岡工区は9km。そのすべてが、地下深くの南アルプストンネルだが、川勝平太・静岡県知事が河川法許可権限を盾に工事を認めないため、着工されていない。これまで「静岡の水は一滴たりとも県外に流出させない」と頑なに工事を拒んできた川勝知事だが、その外堀は埋まりつつある。
「工事によって県外に流出する水量を、大井川上流の田代ダムの取水を制限することで相殺するというのが『田代ダム案』です。JR東海はダムを管理する東京電力と協議を重ね、この10月に大筋でまとまったと発表。大井川流域の自治体もこの案を評価しています。
11月9日におこなわれた定例会見で、川勝知事は、田代ダム案について『(いまだに懸念を)持っている』としながらも、了承せざるを得ないところまで来ているのは明らかです。
この日の会見は約90分にわたっておこなわれましたが、そのほとんどがリニア関係の質疑で費やされました。ただ質疑とはいっても、知事は記者たちの質問にまともに答えず、納得がいかない記者たちから同じような質問が繰り返されました。
知事が話す内容はことごとく支離滅裂でしたが、なかでも呆れたのは、水を戻すことに関して、『量の問題ではなく、湧水そのものを返せ』と言い出したことです」(週刊誌記者)
このときの川勝知事の発言とは、以下のようなものだった。
「トンネル掘削中に出る水は半永久的、恒久的に失われる。水は山梨県側に流れ、この水を大井川に戻すわけではない。流量の問題ではない。我々が求めている掘削中の全量戻しとは違う」
これはどういう意味なのか――。
「要は、水問題が解決しそうになっているので、今度は『水質に問題がある』と言い出したわけです。しかし、工事で出た水を返すより、ダムで取水制限をした方が水質がいいのは明らかで、知事の言い分はまさに意味不明です。
知事は発生土置き場についても見直しを迫っていますが、それも同様で、水問題から生態系の問題に論点をすり替えようとしているのです」(同)
トンネル工事による生態系の影響という静岡県の疑念について話し合ってきた国の有識者会議では、11月7日、「必要な見直しを行うことでトンネル掘削に伴う環境への影響を最小化することが適切」とする報告書がまとめられている。つまり、生態系への影響は限定的だとするものだ。
「川勝知事は、リニアが静岡県を通る案は2010年に出てきたと、常々発言していますが、明らかな間違いです。
1973年に東京から甲府付近を経て名古屋に向かう中央新幹線の基本計画が決定され、翌年には山岳部トンネル区間の地形・地質調査が指示されています。
国土審議会の委員を20年も務め、リニア推進論者であった川勝氏が、このことを知らないわけがないのです」(同)
自分の都合のいいように事実をねじ曲げることだけは、お得意のようだ。
( SmartFLASH )